2019年度(令和元年度) 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 20 83 121 161 294 532 1177 2388 2092 570
呉市は年々人口の減少に伴い、急速な高齢化等により医療環境の厳しい地域となっています。その中で当院は地域医療の中核として、質の高い医療を幅広い年齢層の患者様に提供しています。特に60歳以上の患者様の占める割合が高く、高齢者の入院が多くなる傾向にあります。小子高齢化が進む中、当院も地域の医療機関との連携をさらに強め、紹介患者様、救急患者様を中心に基幹病院としての役割を果たすべく、職員一体となって良質な医療を提供していけるよう努力しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし)  49 17.29 11.67 6.12 72.53
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 定義副傷病なし) 32 20.47 14.23 3.12 65.63
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (手術なし 手術・処置等1あり 定義副傷病なし)  27 9.52 7.00 3.7 57.15
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成述 吻合 その他の動脈等 (手術・処置等2なし 定義副傷病なし)  22 10.68 8.48 0 70.05
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 (手術なし 定義副傷病 なし) 19 16.84 12.58 15.79 77
腎臓内科では、慢性腎不全(人工透析)に対する症例が多くなっています。
当科ではタンパク尿・血尿を主症状とするいわゆる腎炎や脱水などによって引き起こされる急性腎不全、慢性腎炎や糖尿病、高血圧などから腎機能異常となった慢性腎臓病、慢性腎臓病の末期状態(慢性腎不全)での維持透析等、腎臓疾患全般についての診療を行っております。
慢性腎不全については呉地域での中心病院として透析導入前のシャント作成、透析療法の導入及び維持透析、またシャントトラブルに対する拡張術、血栓除去術などを行っています。
タンパク尿・血尿を主症状とするいわゆる腎炎については、年間約100例の腎生検を行い診断、治療を行っています。腎臓が主体の糸球体腎炎のほか、膠原病や血管炎による腎炎の治療も行っております。
また、慢性腎不全等の性質上、高齢者が多く、時に誤嚥性肺炎等の治療も行っております。
代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)(手術なし 手術・処置等2) (1あり 定義副傷病 なし 85歳未満) 26 15.19 13.72 0 62.23
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)(手術なし 手術・処置等2) (1あり 定義副傷病 あり 85歳未満) 14 13.14 15.20 0 74.14
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) (手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満) 10 19.9 13.72 0 69.4
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) (手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満) 10 19.3 14.74 10 72.8
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 85歳未満)
代謝内科では、糖尿病に対する症例が最も多くなっています。
代謝内科では、個々の臓器を超えて、個体全体がうまく調和しているかを診る領域ですが、糖尿病はまさに国民病という名にふさわしい疾患です。糖尿病は放っておくと健康を著しく損なう病気です。眼の合併症である網膜症は、進行すると失明してしまう可能性があります。また、腎障害(腎症)も進行すると尿毒症になり、人工透析をしなければならなくなる可能性も出てきます。末梢神経障害は手足のしびれ、痛みが生じ不快なばかりではなく、進むと壊疽を生じ、足を切断しなければならなくなることもあります。また、動脈硬化が進行しやすく、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞も起こりやすくなります。しかし、糖尿病はしっかり血糖値をコントロールすればなんら怖いものではありません。血糖値のコントロールには食事・運動など生活習慣の改善が極めて重要です。当科では、治療は食事療法を基本として、運動療法や薬物療法を併用することにより行ってます。生活習慣の改善と長期間治療をすることが大切ですが、専門医や栄養士による食事指導を受けて、初期にきちんとした知識を身につけてこの病気に正しく対処することも大事です。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 70 25.03 20.84 10 85.56
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし) 64 2.42 3.34 0 73.88
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし) 52 8.96 9.59 0 72.83
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 (手術・処置等2 なし) 50 21.04 18.84 0 75.32
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし A-DROP スコア1) 45 15.56 13.48 2.22 81.89
肺癌は高齢化の進行と共に増加しています。気管支内視鏡検査は癌か否かの診断だけでなく、最適な抗癌剤を決めるための遺伝子変検査や抗体検査のためにも重要です。進行した状態で見つかることが多い肺癌に対して、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科によるカンファレンスで方針を決定し、医師、看護師、薬剤師等多職種によるチーム医療で対応しています。誤嚥性肺炎も高齢化と共に増加しています。再発予防には嚥下機能の評価を踏まえた嚥下訓練、口腔ケア、食事指導が有効で、耳鼻科、歯科、栄養科と連携が欠かせなくなっています。間質性肺炎にはステロイド治療で容易に治癒するものから、あらゆる治療に抵抗性のものまで様々な種類があります。CT検査、気管支内視鏡検査、血清マーカーなどによる鑑別診断が重要です。重症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、脳梗塞や心臓疾患を合併しやすいことがわかっています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし) 306 3.34 2.63 0 68.46
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 89 13.51 9.79 6.74 78.11
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 あり) 75 3.75 3.57 0 77.31
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) (手術なし) 71 2.77 3.02 0 78.46
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 53 3.06 7.46 0 80.04
当院では、上部及び下部内視鏡検査は原則外来で行っています。大腸ポーリープも外来で処置できるものは外来で行っていますが、5mm以上のものは原則入院の上、切除を行っています。また、高齢者(80才以上)の大腸内視鏡検査も、原則入院の上行っています。呉地区は、高齢者が多く肝内外胆管結石に伴う、急性胆管炎の症例も多く、入院の上内視鏡的処置を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 (手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 175 23.67 17.71 13.71 82.92
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 (手術・処置等2 なし) 156 7.59 5.02 0 65.66
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 (手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 140 2.89 3.01 0.71 72.11
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 (手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 70 5.96 4.40 4.29 71.7
050210xx97000x 徐脈性不整脈 (手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 53 14.21 10.80 1.89 78.83
循環器内科では、狭心症、心不全、頻脈性不整脈等が多い症例となっています。
当科では狭心症・心筋梗塞等の虚血性心疾患、急性・慢性心不全、不整脈、心筋症等の心臓疾患と高血圧症や動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・肺塞栓症等の血管疾患の診療を行っています。各種疾患の診療においてガイドラインや治療効果に関する証拠(各種大規模研究の結果)に基づいた診療を行っております。特にカテーテルによる血管形成術、不整脈治療に力を入れております。
循環器内科において重要な分野が救急診療です。当院では、従来から救急診療部において循環器専門医の診断を受けることが可能な体制をとっており、緊急でカテーテル検査、治療を施行することが可能です。
また、心臓血管外科と循環器センターとして一体となって診療を行っており、救急診療時にも相互に密接に連携し、緊急手術にも対応できる体制もとっています。
地域の先生方とは地域医療連携室を通じての紹介・直接の御紹介ともにお受けしており、必要な診断治療を入院・外来で行いその後再び地域の先生の所へ御紹介する体制をとっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 61 6.33 4.85 0 71.8
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし) 59 3.9 4.36 0 65.1
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 (手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 37 8.41 7.13 2.7 68.59
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし) 34 5.12 4.4 0 69.53
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし) 31 4.19 4.62 0 68.03
胃癌早期癌に対しては、消化器内科で内視鏡治療を行います。体への負担が少ない治療法ですので、治療からの回復は早いことが特徴です。内視鏡治療ができない早期癌や一部の進行癌に対しては、外科で腹腔鏡による胃切除術を行います。腹腔鏡の適応でない場合は、開腹による胃切除術を行います。
大腸癌は進行癌の割合が多くなっています。早期胃癌に対しては、胃癌と同様に、消化器内科で内視鏡治療を行います。内視鏡治療が困難な早期癌や内視鏡治療後に追加切除が必要と診断された場合や進行癌に対しては、外科で腹腔鏡による大腸切除術を行います。腹腔鏡の適応でない場合は、開腹による大腸切除術を行います。局所進行大腸癌や遠隔転移を認める場合や再発が認められた場合は、化学療法を中心とした集学的治療を行っています。
 乳癌は早期癌が多くなっています。乳房温存手術を第一選択として行っています。手術中にRIナビゲーションを用いたセンチネルリンパ節生検を行い、センチネルリンパ節が転移陰性と診断された場合は、腋窩リンパ節廓清を省略します。
令和元年の診断分類別患者数では、鼡径ヘルニア手術や胆嚢手術、直腸肛門や結腸の化学療法の入院患者さんが多い結果でした。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 164 26.22 25.94 78.66 84.24
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 118 4.85 5.54 5.08 61.33
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) (手術なし 定義副傷病 なし) 48 19.08 19.4 43.75 81.31
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 41 17.51 15.09 34.15 75.07
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 36 22.89 23.56 61.11 77.61
日本の15万人以上の中核市で呉市の高齢化率は昨年同様全国トップレベルであり、要介護・要支援に要する医療費の原因疾患の1位が骨折である。それに伴い当院の整形外科の患者は骨粗鬆症を基礎にもつ疾患症例の救急来院が多い状況であり、いわゆるケガのため、慢性疾患と異なり絶対に受診が必要ですので現在コロナ禍であっても減少することはありません。患者数の最も多い大腿骨近位部骨折はほぼ100%近くが手術を必要とし、2位の前腕骨折(つまり橈骨遠位端骨折)も、当院へ紹介されてくる症例はほとんどが手術を必要とするような転位の大きな骨折です。3位の圧迫骨折においても、まずは保存的治療を行っていますが、高度の骨脆弱性から不安定性を呈し遷延癒合や偽関節になってくる症例も少なくなく、BKPや椎体形成あるいは後方固定術に至るケースも多くなってきています。また、慢性疾患のロコモティブシンドローム(骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、変形性関節症など)の症例も多く、中でも高齢者の腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛症状を呈する症例に対し、診断と治療を兼ねて神経ブロックという治療を行っている状況です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) (手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2) 52 22.88 16.13 44.23 75.62
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 28 13.75 9.67 21.43 83.36
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) (手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 27 24.07 18.81 51.85 65.22
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 22 11.55 7.34 18.18 76.95
010200xx99x00x 水頭症 (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 19 5.42 6.93 0 80.95
脳神経外科では、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍など脳神経疾患全般の診療にあたっていますが、中でも多いものが、上記疾患です。
脳梗塞に対しては、症例ごとに検討し、急性期のアルテプラーゼ静注による血栓溶解療法や血栓回収用機器を用いた血栓回収療法もおこなっています。また、脳保護剤であるエダラボン投与を含めた内科的な治療が中心となりますが、内頚動脈狭窄症があり、最良の内科的治療では不十分な場合、頸動脈血栓剥離術や頸動脈ステント留置術を状況に応じて行っています。脳出血に対しては血腫の部位や大きさ、患者様の状態により、血圧管理を中心とした保存的治療、開頭血腫手術、ナビゲーションシステムを用いた穿頭血腫ドレナージ手術を行っています。頭部外傷に関しては、症例ごとに検討し、保存的治療、開頭手術、穿頭手術などを行っています。高齢化率の上昇に伴い、特発性正常圧水頭症も増加してきています。正常圧水頭症が疑われた場合はリハビリスタッフの協力のもとタップテストにて診断し、手術適応のあるものに、LPシャント術、あるいはVPシャント術を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 (手術あり 手術・処置等2 なし) 29 15.28 11.51 0 70.76
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
160450xx99x10x 肺・胸部気管・気管支損傷 (手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし)
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 (手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
160400xx99x00x 胸郭・横隔膜損傷 (手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
いずれの診療も呼吸器外科専門医が行っております。肺癌診療が最多であり標準的治療として胸腔鏡下肺葉切除および縦郭リンパ節郭清術を行っています。早期肺癌や合併症等で標準手術が困難な場合は胸腔鏡下肺部分切除を行うこともあります。入院中はクリニカルパスを用い、治療経過をわかりやすくお示ししています。安全な手術を行い、ここ数十年致死的合併症はなく、みなさん自宅退院されています。気胸は若年者の自然気胸と、慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎に伴う続発性気胸があります。胸腔ドレナージにより胸腔内に貯まった空気を脱気したり、手術を行ったりします。低肺機能や合併症等の理由で手術が行えない場合は、胸膜癒着療法や気管支閉塞術を行うこともあります。高齢化社会を反映し、誤嚥による肺炎から膿胸症例が増加傾向にあります。抗生剤の点滴で改善する場合もありますが、発症から時間がたっていたり、内科的治療だけでは治癒しないこともあり、時期をみて手術を行い良好な結果を得ています。交通外傷や転倒に伴う肋骨骨折、胸骨骨折、外傷性血気胸の診療も行っており、多くはドレナージや安静加療といった保存的治療で改善しています。そのほか、びまん性肺疾患の肺生検や良性肺腫瘍手術、胸水診断のための胸膜生検、縦隔腫瘍の診療も行っております。 (※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx02x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 (手術・処置等2 なし)
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患 動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等 (手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
050070xx9700xx 頻脈性不整脈 その他の手術あり (手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし)
050070xx9701xx 頻脈性不整脈 その他の手術あり (手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 あり)
050163xx02x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 (手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし)
DPC分類に基づく病名のため非破裂性大動脈瘤の病名が重複していますが、いずれも腹部大動脈瘤のことであり、中心静脈カテーテル挿入の有無や血液透析の有無の違いです。
当科では心大血管疾患に関して幅広く診療させていただいており、患者一人一人に適切な治療方針を検討し、より良い治療を行うべく日々努めています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 (手術・処置等1 なし) 35 14.6 12.55 5.71 72.71
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 16 7.56 9.00 0 69.38
180060xx97xxxx その他の新生物 (手術あり) 12 2.92 6.39 0 72.25
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 (手術・処置等1 なし)
蜂窩織炎、丹毒等の皮膚感染症や症状の強い帯状疱疹の患者さんが多く入院されています。また、水疱症、薬疹のステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量療法、血漿交換での治療やアレルギー疾患、皮膚悪性腫瘍も症状に合わせて入院加療を行っています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 40 2.08 2.78 0 72.6
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし) 14 2.64 8.48 0 66.57
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 (手術・処置等2 なし)
180060xx97xxxx その他の新生物 (手術あり)
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり (手術・処置等1 なし)
形成外科では下肢静脈瘤のカテーテル手術を平成30年度より本格的に始めました。日帰り、入院どちらにも対応しています。下肢静脈瘤手術や血液透析に必要な内シャント造設手術のため入院する患者が多くなっています。皮膚・皮下の良性腫瘍に対する手術の多くは日帰りで行っていますが、良性でも腫瘍が大きい・深いところにある場合、皮膚悪性腫瘍などは必要に応じて入院でも手術を行っています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 (手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし) 74 6.78 7.07 1.35 77.68
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 (手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし) 61 7.23 5.61 1.64 62.31
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし (手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし) 45 2.2 2.49 0 70.96
11013xxx06xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 20 6.1 5.58 0 70.85
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり (定義副傷病 なし) 19 13.26 7.38 0 76.89
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 (手術あり)
12002xxx99x2xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 (手術なし 手術・処置等2 2あり)
120080xx97xxxx 女性生殖器の良性腫瘍(その他) (手術あり)
当科は婦人科疾患が主な対象です。受診される患者様で多いのは子宮や卵巣の疾患になります。産科につきましては、自費にて胎児超音波を予約制でおこなっていますが、出産は現在受け入れが出来ない状態です。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 40 8.13 7.8 0 28.38
030400xx99xxxx 前庭機能障害 (手術なし) 38 7.53 5.01 0 68.95
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 31 8.58 6.8 0 59.97
030270xxxxxxxx 上気道炎 21 8.05 4.94 0 41.9
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 (手術なし) 16 5.19 5.45 0 45.88
耳鼻咽喉科の入院患者の約7割は手術症例です。非手術症例はめまい(前庭機能障害)が多く、次いで急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など、急性上気道感染症、他、悪性腫瘍症例など多岐にわたります。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010080xx99x1x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 (手術なし 手術・処置等2 1あり 15歳以上)
010110xxxxx00x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー (手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし)
020120xxxxxxxx 急性前部ぶどう膜炎
030245xxxxxxxx 伝染性単核球症
060330xx99xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) (手術なし)
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 50 10 11 11 12 65 1 7,8
大腸癌 13 19 17 30 37 201 1 6,7,8
乳癌 11 6 4 0 5 19 1 8
肺癌 25 2 8 30 11 133 1 7,8
肝癌 8 7 5 4 4 43 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌は早期癌の割合が多く、内視鏡的粘膜下層剥離術や腹腔鏡下胃切除術などの負担が少ない治療を行っています。stage II以上の胃癌に対しては、手術の後に術後補助化学療法を行うことにより、良好な成績が得られています。手術不能なstage IV症例に対しては、化学療法を中心に治療を行い、奏効例に対して手術を行っています。
大腸癌は浅い粘膜下層癌(T1a)までの症例に内視鏡的粘膜下層剥離術を行っています。深い粘膜下層癌(T1b)以深の症例に対しては腹腔鏡下手術を中心とした手術療法を行います。他臓器への転移を伴う症例や再発症例に対しても積極的な化学療法と転移巣切除を行い、根治を目指しています。
乳癌に対しては進行度に応じて乳房温存、RIナビゲーションを用いたセンチネルリンパ節生検を行っています。センチネルリンパ節転移陰性の場合は腋窩リンパ節郭清を省略しています。
肺癌に対しては、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科が連携して手術、化学療法、放射線療法を選択して行っています。手術では胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。
肝細胞癌は、C型肝炎治療の進歩により減少しています。肝細胞癌に対しては、進行度と肝予備能を検討して、手術可能な症例に対して肝切除を、手術不可能な症例に対しては局所治療(ラジオ波焼灼術、肝動脈塞栓術)や分子標的薬治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 26 9.96 56.73
中等症 153 18.30 79.37
重症 21 27.38 83.38
超重症 6 25.17 82.17
不明 0 0.00 0.00
市中肺炎は病院外で日常生活をしている人に発症する肺炎です。
軽症であっても、肺気腫、肺癌などの呼吸器慢性疾患があり重症化する可能性がある場合は、入院治療が必要な場合もあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 166 27.78 79.72 36.81
その他 16 24.44 79.19 3.85
この指標は、医療の質の改善に資するため、ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、DPCコードにて分類された病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
「同一」ということは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。一方「異なる」ということは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気(この指標の場合は、播種性血管内凝固や敗血症、手術・術後の合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。
合併症は、術後出血や創部感染などどのような術式でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者様へ説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。また、手術後の合併症を改善するため、全身麻酔等を行う患者様には、周術期の口腔ケアを行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 50 8.72 19.92 6 68.86
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 48 1.77 10.38 2.08 73.69
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 21 7.19 25.43 4.76 69.76
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 17 9.88 14 5.88 70.76
K608-3 内シャント血栓除去術
腎臓内科では種々の腎臓病に対して患者さんに合った適切な医療を行っております。
患者さんの腎機能が低下し、腎代替療法・腎移植を検討する場合は、医師・看護師などの医療従事者・患者・家族で情報を共有、話し合いながらべストな治療を見つけていきます。
透析療法選択(腹膜透析・血液透析)に関しては、十分な情報提供を行い、患者(家族)さんの意思決定を支援いたします。
腹膜透析では腹膜透析用カテーテル留置術、血液透析ではシャント設置術を行います。
またシャントトラブルに関しても十分な経験をもとにベストな治療法を提案いたします。
患者さんに一番合った生活スタイルが過ごせるように提案させていただいております。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
代謝内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)
K0463 骨折観血的手術(膝蓋骨)
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定)
K2761 網膜光凝固術(通常)
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術
指標に挙がっている手術は、それぞれ代謝内科での手術ではありません。これらが代謝内科に挙がっているのは、主たる代謝内科の病気で入院中に他科で手術を受けたが、集計はあくまで主たる代謝内科の患者様として挙げたからです。病院内の複数の診療科が連携して治療を行っていることが分かります。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他)
K300 鼓膜切開術
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定)
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢)
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 378 1.22 1.59 0.26 70.69
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 108 1.29 15.72 9.26 79.24
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 40 1 8.23 0 76.05
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 25 1 1.12 0 66.08
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 15 7.4 14.13 13.33 74.73
上下部消化管とも内視鏡検査は原則外来で行ないます。
上部消化管検査で早期癌や腺腫と診断された症例は入院の上、内視鏡治療を行っています。下部消化管も5mm以下のポリープは、入院の上、内視鏡治療を行っています。今年度から、下部内視鏡粘膜切除術は原則1泊2日で行う予定です。
胆道系の結石も多く、入院の上内視鏡的に乳頭切開術、胆道破石術を行っています。
上下部消化管出血での緊急入院症例も多く、内視鏡的止血術を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 145 1.06 5.83 0 65.81
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 47 2.19 4.47 6.38 72.89
K570-3 経皮的肺動脈形成術 46 3.26 3.28 10.87 69.59
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 39 2.33 11.77 2.56 78.33
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 29 1.24 10.14 6.9 76.48
当科では、経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)が最も多い手術となっています。次いで、経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的肺静脈形成術の順です。経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)は、頻脈性不整脈の原因となる心筋組織をカテーテルで焼灼する手術です。カテーテル先端から高周波電流を流すことにより、心筋組織を熱凝固させます。経皮的冠動脈ステント留置術は、まず、狭窄のある血管の内側からバルーン(風船)が付いたカテーテルを使って血管を押し広げ、十分な拡張がされていない場合、その部位に金属を網目状に加工したステントを留置し血液の流れを良くする手術です。留置後、ステントは血管内に留まり血管をささえ続けます。慢性肺動脈血栓症に対する経皮的肺動脈形成術は広島県内では当院でのみ行っており良好な成績をおさめております。ペースメーカー移植術は、心臓のリズム(心拍数、脈拍数)が何らかの原因で規則正しく拍動しなくなった場合、それを補助するための機械(ペースメーカー)を体内に埋め込む手術です。ペースメーカーは電気的刺激を心臓に与え心臓の鼓動を維持(リズムを作り出す)する機械です。電池の寿命は10年前後で本体交換が必要となります。ペースメーカー本体の重さは25g前後と非常に軽いものです。下肢の閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療も高齢者、透析など動脈硬化の進んだ状態にも積極的に行っており下肢切断回避につとめております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 71 1.13 6.63 1.41 68.17
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 31 1 3.94 0 71.13
K6335 鼠径ヘルニア手術 30 1.13 4.6 0 72.5
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 22 0.23 4.73 0 39.59
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 22 3.05 14.05 0 74.77
外科では侵襲の少ない腹腔鏡手術を適切に選択して行っています。令和元年度の手術例においても患者数の多い手術に腹腔鏡手術が多く含まれました。最も多かった手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術で、その対象は胆嚢結石症、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症や急性胆嚢炎などです。次に多かったのは、腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術と鼡径法による鼡径ヘルニア手術です。鼡径ヘルニアのタイプや既往手術歴などを考慮して、どちらの術式を選択するか決めています。急性虫垂炎に対しては、緊急腹腔鏡下虫垂切除術を行うことが多いですが、大きな膿瘍を形成する急性虫垂炎に対しては、膿瘍穿刺+抗菌剤治療を先行して、二期的に腹腔鏡下虫垂切除を行うこともあります。結腸癌に対しては腹腔鏡下結腸切除術を選択して、患者さんが術後早期に回復されることを目指しています。結腸癌を含め近年高齢の方の手術割合が高くなっています。当科では専門のスタッフが手術を担当しますので、合併症の少ない手術が行えており、また術後は、栄養サポートチームや嚥下リハビリチームなどの各チーム医療が関わって、お元気に退院できるように支援をしています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 138 2.64 20.62 67.39 81.57
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 110 1.25 9.94 19.09 64.8
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 68 3.06 20.88 75 84.24
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) 66 0.17 3.06 1.52 54.55
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 57 1.42 22.16 61.4 76.54
骨粗鬆症性骨折のうちとくに高齢者の大腿骨近位部骨折は、寝たきりを防ぐためにできるだけ早期に手術治療をおこない、すぐにリハビリテーションを開始して歩行訓練を行う必要があります。高度に転位した橈骨遠位端骨折も高齢者に多く発生し手術にてプレートによる内固定を行うことで、ギプスなどの外固定を使用することなく翌日より可動域訓練を開始します。手術創が治れば入浴など無理をしなければ通常通りの日常生活を送れるようになります。
手術のみならず、術後落ち着けば骨密度や重心バランスの検査を行い、骨粗鬆症や転倒しやすさなどの評価をして、必要ならその治療を開始することで、次の骨折予防にも力を入れています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 23 1.04 15.39 30.43 83.52
K1742 水頭症手術(シャント手術) 20 6.7 20.3 25 76.4
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
最近の高齢化の影響もあってか、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術や、特発性正常圧水頭症に対する髄液シャント手術が多く、シャント手術は症例ごとに検討し、LPシャント術、VPシャント術のいずれかを選択しています。慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症はいずれも、認知症や歩行障害などで発症することも多く、前記手術で症状改善も期待でき、生活の向上につながっています。脳腫瘍に対してはナビゲーションシステム使用や術中MEPモニターなどで、より安全で確実な手術を行っています。脳内血腫に関しては症例ごとに検討し、保存的治療、ナビゲーションシステムを使用した定位的血腫ドレナージ術、開頭血腫除去術を行っています。脳動脈瘤に対しては動脈瘤の部位や形状、患者の全身状態や希望など勘案し、脳動脈瘤コイル塞栓術、脳動脈瘤頚部クリッピングを行っています。脳動脈瘤クリッピング手術時はMEPモニターやICG蛍光血管造影を用いて、より安全で確実な手術に努めています。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 17 1.59 14.41 0 71.53
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除))
K488-4 胸腔鏡下試験切除術
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術
呼吸器外科の手術は、最近ではほとんど胸腔鏡下に行っております。従来の開胸手術と比べ創部痛の軽減や呼吸機能への影響が軽減され、術後の回復が早く合併症発生の確立も低減できています。近年は高齢の患者様が増えてきていることもあり、不安なく日常生活に戻っていただけるよう、リハビリをしっかり行っております(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建))
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上)
K5943 不整脈手術(メイズ手術)
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
K5551 弁置換術(1弁)
当科では心臓・大血管・抹消血管疾患に対して幅広く手術加療に取り組んでおりますが、平成31年度は腹部大動脈瘤手術を最も多く行いました。
それぞれの疾患で手術方法がいくつかありますが、どの手術を行うべきかという点に関して十分な検討を行い、適切な手術方法を選択するよう日々努めています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径3cm未満) 11 0.09 3.18 0.00 72.00
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満)
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満)
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)
皮膚の良性・悪性腫瘍の摘出術を中心に局所、全身麻酔にて手術を行っております。また様々な要因での潰瘍のデブリードマン、切開術も行います。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 39 0 1 0 72.36
K610-3 内シャント設置術 16 0.69 1.63 0 66.44
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K0021 デブリードマン(100cm2未満)
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)
形成外科では下肢静脈瘤のカテーテル手術を平成30年度より本格的に始めました。入院、日帰りどちらにも対応しています。下肢静脈瘤手術や血液透析に必要な内シャント造設手術が多くなっています。皮膚・皮下の良性腫瘍に対する手術の多くは日帰りで行っていますが、良性でも腫瘍が大きい・深いところにある場合、皮膚悪性腫瘍などは必要に応じて入院して全身麻酔下でも手術を行っています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 66 1.17 5.76 1.52 78.77
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 49 1.27 4.96 10.2 61.14
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 0.72 8.11 11.11 74.28
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) 18 0.94 3.28 5.56 76.06
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 14 1 3.57 0 76
膀胱癌に対する手術、尿路結石に対する手術が増加傾向です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式)
K848 バルトリン腺嚢胞腫瘍摘出術(造袋術を含む)
K8511 会陰形成手術(筋層に及ばない)
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹)
当科の手術では婦人科疾患が主な対象で、産科の手術や出産は現在おこなっていません。その為、受診される患者様は婦人科の手術目的で入院される割合が高く、子宮全摘出術、付属器摘出術の順になっています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 30 1 6.7 0 33.97
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術) 17 1 6.59 0 34.12
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 16 0.94 6.5 0 60.31
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 16 1 6.88 0 65.56
K370 アデノイド切除術
手術症例では、扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術が多く、内視鏡下鼻副鼻腔手術(3もしくは4型)、内視鏡下鼻中隔手術(鼻中隔矯正)、内視鏡下鼻腔手術(粘膜下下鼻甲介骨切除術)、また、扁桃周囲膿瘍切開術など行っています。他喉頭微細手術、耳下腺甲状腺など頭頚部腫瘍手術などです。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 31 0.42
異なる 20 0.27
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 104 1.4
異なる
この指標は、医療の質の改善に資するため、ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、DPCコードにて分類された病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
「同一」ということは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。一方「異なる」ということは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気(この指標の場合は、播種性血管内凝固や敗血症、手術・術後の合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。
合併症は、術後出血や創部感染などどのような術式でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者様へ説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。また、手術後の合併症を改善するため、全身麻酔等を行う患者様には、周術期の口腔ケアを行っています。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
更新履歴