令和4年度 呉共済病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 2 33 94 78 206 381 883 2093 2205 673
呉市は年々人口の減少に伴い、急速な高齢化等により医療環境の厳しい地域となっています。その中で当院は地域医療の中核として、質の高い医療を幅広い年齢層の患者様に提供しています。特に60歳以上の患者様の占める割合が高く、高齢者の入院が多くなる傾向にあります。小子高齢化が進む中、当院も地域の医療機関との連携をさらに強め、紹介患者様、救急患者様を中心に基幹病院としての役割を果たすべく、職員一体となって良質な医療を提供していけるよう努力しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 41 18.61 11.77 9.76 71.88
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 32 6.50 6.45 0.00 56.16
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 30 17.87 13.61 3.33 82.50
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 28 21.89 13.82 14.29 75.68
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 28 10.21 8.05 3.57 70.96
腎臓内科では、慢性腎臓病に対する症例が多くなっています。当科ではタンパク尿・血尿を主症状とするいわゆる腎炎や、薬剤、感染症、脱水などによって引き起こされる急性腎不全、慢性腎炎や糖尿病、高血圧などから慢性腎臓病が進行した場合は療法選択を行い、維持透析等、腎臓疾患全般についての診療を行っております。タンパク尿・血尿を主症状とするいわゆる腎疾患については、年間約100例の腎生検を行い診断、治療を行っています。腎臓が主体の糸球体腎炎のほか、膠原病や血管炎による腎炎の治療も行っております。また、呉地域は高齢者が多く、誤嚥性肺炎等の治療も行っております。
代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 66 17.68 14.28 6.06 73.68
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 10.80
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 10.58
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13.43
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 13.16
代謝内科では、糖尿病の症例が最も多くなっています。糖尿病はまさに国民病という名にふさわしい疾患です。糖尿病は放っておくと健康を著しく損なう病気です。眼の合併症である網膜症は、進行すると失明してしまう可能性があります。また、腎障害(腎症)も進行すると尿毒症になり、人工透析をしなければならくなる可能性も出てきます。末梢神経障害は手足のしびれ、痛みが生じ不快なばかりではかく、進行すると壊疽を生じ、足を切断しなければならなくなることもあります。また、動脈硬化が進行しやすく、脳梗塞は狭心症、心筋梗塞も起こりやすくなります。しかし、糖尿病はしっかり血糖値をコントロールすればなんら怖いものではありません。血糖値のコントロールには食事・運動など生活習慣の改善が極めて重要です。当科では、食事療法と運動療法を基本として、薬物療法を併用することにより治療を行ってます。生活習慣の改善との治療を継続していくことが大切ですが、専門医や管理栄養士による栄養指導を受けて、初期にきちんとした知識を身につけてこの病気に正しく対処することも大事です。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を-(ハイフン)で表しています)
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 75 14.71 18.57 6.67 74.53
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 68 20.88 21.11 14.71 84.78
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 2.17 3.05 0.00 75.56
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 28 7.57 8.60 0.00 71.43
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 26 15.12 13.61 7.69 83.35
肺癌は高齢化の進行と共に増加しています。気管支内視鏡検査は癌か否かの診断だけでなく、最適な抗癌剤を決めるための遺伝子変異検査や抗体検査のためにも重要です。進行した状態で見つかることが多い肺癌に対して、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科によるカンファレンスで方針を決定し、医師、看護師、薬剤師等多職種によるチーム医療で対応しています。誤嚥性肺炎も高齢化と共に増加しています。再発予防には嚥下機能の評価を踏まえた嚥下訓練、口腔ケア、食事指導が有効で、耳鼻科、歯科、栄養科と連携が欠かせなくなっています。間質性肺炎にはステロイド治療で容易に治癒するものから、あらゆる治療に抵抗性のものまで様々な種類があります。CT検査、気管支内視鏡検査、血清マーカーなどによる鑑別診断が重要です。重症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、脳梗塞や心臓疾患を合併しやすいことがわかっています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 190 2.67 2.64 0.00 73.76
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 77 11.53 8.94 1.30 77.52
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 52 2.83 2.98 0.00 80.50
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 49 8.51 7.76 0.00 77.04
06007xxx9905xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり 42 9.19 7.70 0.00 86.93
上部及び下部内視鏡検査は原則外来で行っていますが、高齢者(80歳以上)の大腸検査は患者負担軽減のため入院での検査をお勧めしています。
早期胃癌の内視鏡的治療は入院の上、積極的に行っています。大腸腫瘍切除も入院での処置が原則です。いずれも、以前ならば外科手術が必要な病変でも内視鏡的に切除出来ることが多くなっています。大腸憩室炎は入院して保存的に治療することがほとんどです。呉地区は高齢者が多く、肝内外胆管結石などに伴う急性胆管炎の症例も多く、入院で内視鏡的処置を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 190 19.84 17.54 6.32 84.23
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 120 2.49 3.04 0.83 71.64
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 115 5.70 4.65 0.00 65.87
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 62 6.53 4.26 0.00 74.06
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 57 11.98 9.89 5.26 82.16
"循環器内科では、狭心症、心不全、頻脈性不整脈等が多い症例となっています。
当科では狭心症・心筋梗塞等の虚血性心疾患、急性・慢性心不全、不整脈、心筋症等の心臓疾患と高血圧症や動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・肺塞栓症等の血管疾患の診療を行っています。各種疾患の診療においてガイドラインや治療効果に関する証拠(各種大規模研究の結果)に基づいた診療を行っております。特にカテーテルによる血管形成術、不整脈治療に力を入れております。
循環器内科において重要な分野が救急診療です。当院では、従来から救急診療部において循環器専門医の診断を受けることが可能な体制をとっており、緊急でカテーテル検査、治療を施行することが可能です。
また、心臓血管外科と循環器センターとして一体となって診療を行っており、救急診療時にも相互に密接に連携し、緊急手術にも対応できる体制もとっています。
地域の先生方とは地域医療連携室を通じての紹介・直接の御紹介ともにお受けしており、必要な診断治療を入院・外来で行いその後再び地域の先生の所へ御紹介する体制をとっています。"
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 69 4.55 4.59 1.45 69.58
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 8.00 6.93 4.26 67.15
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 35 5.40 4.38 0.00 72.69
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 35 10.06 9.00 2.86 79.54
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 33 4.91 4.79 0.00 74.00
令和4年の診断分類種別患者数では、鼡径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、直腸肛門の悪性腫瘍に対する化学療法や、結腸の悪性腫瘍に対する化学療法が多いという結果でした。鼠径ヘルニアに対しては、腹腔鏡手術と鼠径部切開法の2つの術式があり、鼠径ヘルニアの大きさやタイプ、既往手術歴などを考慮して、どちらの術式を選択するかを決めています。急性胆嚢炎は外科では頻繁に遭遇する疾患の1つですが、軽症から重症まで非常に幅広い病態を示します。高齢者人口の増加に伴い、様々な疾患を合併した高リスク急性胆嚢炎症例が増えています。当科では「急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン」を基に、重症度判定、患者の全身状態および併存疾患を考慮して治療方針を決定しています。大腸癌は近年本邦でも増加してきています。早期大腸癌の治療は、内視鏡的粘膜下層剥離術や内視鏡的粘膜切除術により病変の切除を行います。内視鏡治療が困難な早期癌や内視鏡治療後に追加切除が必要と診断された場合や大腸進行癌に対しては、外科で腹腔鏡による大腸切除術を行います。腹腔鏡の適応でない場合は、開腹による大腸切除術を行います。局所進行大腸癌や遠隔転移を認める場合や再発が認められた場合は、化学療法を中心とした集学的治療を行います。近年、化学療法の進歩は顕著で、治療効果が十分期待できるようになりました。以前だと根治手術不能と思われた症例でも、根治手術が可能となるまで病変が縮小する症例が増えてきています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 159 25.47 26.42 76.10 84.36
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 60 21.37 20.09 73.33 81.83
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 39 25.13 14.17 46.15 76.13
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 34 6.71 4.86 8.82 61.24
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 25 20.08 19.98 64.00 81.20
日本の15万人以上の中核市で呉市の高齢化率は昨年同様全国トップレベルであり、要介護・要支援に要する医療費の原因疾患の1位が骨折である。それに伴い当院の整形外科の患者は骨粗鬆症を基礎にもつ疾患症例の救急来院が多い状況であり、いわゆるケガのため、慢性疾患と異なり絶対に受診が必要ですので現在コロナ禍であっても減少することはありません。患者数の最も多い大腿骨近位部骨折はほぼ100%近くが手術を必要とし、2位の前腕骨折(つまり橈骨遠位端骨折)も、当院へ紹介されてくる症例はほとんどが手術を必要とするような転位の大きな骨折です。3位の圧迫骨折においても、まずは保存的治療を行っていますが、高度の骨脆弱性から不安定性を呈し遷延癒合や偽関節になってくる症例も少なくなく、BKPや椎体形成あるいは後方固定術に至るケースも多くなってきています。また、慢性疾患のロコモティブシンドローム(骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、変形性関節症など)の症例も多く、中でも高齢者の腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛症状を呈する症例に対し、診断と治療を兼ねて神経ブロックという治療を行っている状況です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 62 18.05 15.97 37.10 76.77
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 10.81 10.14 13.89 80.83
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 26 16.42 17.76 30.77 78.23
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 17.11 8.54 36.84 75.11
010030xx9900xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 4.59 7.46 0.00 61.65
脳神経外科では、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍など脳神経疾患全般の診療にあたっていますが、中でも多いものが、上記疾患です。脳梗塞に対しては、症例ごとに検討し適応あれば、急性期のアルテプラーゼ静注による血栓溶解療法や血栓回収用機器を用いた血栓回収療法を行っています。また、脳保護剤であるエダラボン投与を含めた内科的な治療が中心となりますが、内頚動脈狭窄症があり、最良の内科的治療では不十分な場合、頸動脈血栓剥離術や頸動脈ステント留置術を状況に応じて行っています。正常圧水頭症が疑われる症例に対してはタップテストを行い、シャント手術の適応があると診断された場合は、髄液シャント手術を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 12.41 10.06 0.00 77.31
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 9.68
160400xx99x0xx 胸郭・横隔膜損傷 手術なし 手術・処置等2なし 9.54
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28.63
160450xx99x00x 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19.25
いずれの診療も呼吸器外科専門医が行っております。
肺癌診療が最多であり、腫瘍の状況と患者様の状態を総合的に判断し、肺葉切除術/肺区域切除術/肺部分切除術を選択し行っています。入院中はクリニカルパスを用い、治療経過をわかりやすくお示ししています。10年以上致死的合併症はなく、自宅退院されています。
気胸は若年者の自然気胸と、慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎に伴う続発性気胸があります。胸腔ドレーナージにより胸腔内に貯まった空気を脱気したり、手術を行ったりします。難治性の続発性気胸においても積極的に手術を行い、ドレナージ期間を短縮できるよう取り組んでいます。
高齢化社会を反映し、肺炎からの膿胸症例が増加しています。抗菌薬の点滴で改善する場合もありますが、発症から時間がたっていたり、内科的治療だけでは治癒しないこともあり、次期をみて手術を行い良好な結果を得ています。
交通外傷や転倒に伴う肋骨骨折、胸骨骨折、外傷性血気胸の診療も行っており、多くはドレナージや安静加療といった保存的治療で改善しています。そのほか、縦郭腫瘍の手術および診療、良性肺腫瘍手術、胸水の組織診断のための胸膜生検等も行っております。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 19 3.89 7.59 0.00 74.32
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 2.66
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 4.50
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 7.29
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 3.94
形成外科では下肢静脈瘤の血管内治療(カテーテル治療)をしています。入院、日帰りのどちらにも対応しています。下肢静脈瘤手術や血液透析に必要な内シャント造設手術のため入院する患者が多くなっています。皮膚・皮下腫瘍に対する手術の多くは日帰りで行っていますが、腫瘍が大きい・深いところにある場合、皮膚悪性腫瘍などは必要に応じて入院治療を行っています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 11 14.73 13.50 0.00 66.00
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.25
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし 28.56
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 7.29
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 12.46
蜂窩織炎、丹毒等の皮膚感染症や症状の強い帯状疱疹の患者さんが多く入院されています。また、水疱症、薬疹のステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量療法、血漿交換での治療やアレルギー疾患、皮膚悪性腫瘍も症状に合わせて入院加療を行っています。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 62 2.06 2.45 0.00 75.00
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 49 7.31 6.85 0.00 74.24
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 49 5.88 5.29 0.00 66.35
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 26 12.77 13.61 3.85 78.38
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 12 7.17 6.89 0.00 80.67
例年に比べると平均在院日数は短縮傾向ですが、まだ全国平均よりは少し長めの入院となっています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 30 6.03 6.23 0.00 57.53
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 23 6.78 4.79 0.00 72.74
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 19 7.95 7.73 0.00 36.11
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 17 6.12 6.00 0.00 43.18
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし 8.06
耳鼻咽喉科の入院患者の約6割は手術症例です。手術症例は、鼻副鼻腔手術、扁桃摘出術、鼻腔手術の順に多いです。頭頸部外科手術として、甲状腺手術(良性もしくは悪性)、耳下腺手術等も多く扱っています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 46 9 11 25 18 41 1 8
大腸癌 16 13 33 86 29 131 1 7,8
乳癌 20 9 1 1 2 7 1 8
肺癌 33 9 10 35 6 53 1 8
肝癌 8 7 2 4 0 26 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌は早期癌の割合が多く、内視鏡的粘膜下層剥離術や腹腔鏡下胃切除術などの身体の負担が少ない治療を行っています。stage II、IIIの胃癌に対しては、外科手術施行後に術後補助化学療法を行うことにより、良好な成績が得られています。stage IVの胃癌に対しては化学療法を行い、手術が可能となる奏効症例も認めています。
大腸癌は浅い粘膜下層癌(T1a)までの症例に内視鏡的粘膜下層剥離術を行っています。深い粘膜下層癌(T1b)以深の症例に対しては腹腔鏡下手術を中心とした手術療法を行っています。他臓器への転移を伴う症例や再発症例に対しても積極的に化学療法と転移巣切除を行い、根治を目指しています。
乳癌に対しては進行度に応じて乳房温存、RIナビゲーションを用いたセンチネルリンパ節生検を行っています。センチネルリンパ節転移陰性の場合は腋窩リンパ節郭清を省略しています。
肺癌は診断時に進行していることが多く、Ⅳ期が5割程度を占めています。抗癌剤治療は遺伝子変異検査等により最適な薬剤を選択しています。手術は胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。
肝細胞癌は、C型肝炎治療の進歩により減少しています。肝細胞癌に対しては、進行度と肝予備能を検討して、手術可能な症例に対して肝切除を、手術不可能な症例に対しては局所治療(ラジオ波焼灼術、肝動脈塞栓術)や分子標的薬治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 5 8.40 60.40
中等症 40 14.18 80.75
重症 8 20.75 78.75
超重症 0 0.00 0.00
不明 0 0.00 0.00
市中肺炎は病院外で日常生活をしている人に発症する肺炎です。
軽症であっても、肺気腫、肺癌などの呼吸器慢性疾患があり重症化する可能性がある場合は、入院治療が必要な場合もあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 186 24.77 79.39 37.24
その他 10 26.30 76.70 3.57
脳梗塞は高齢者が多く、状況に応じてt-PA治療や血栓回収、エダラボン点滴を含めた内科的治療などの急性期治療、リハビリテーション、血糖、脂質、血圧管理など全身管理を行い、状態の安定、改善に努め、また脳梗塞予防治療を行っています。これら治療にて早期の自宅退院が難しいケースでは、更なるリハビリ目的で回復期リハビリテーション病院への転院調整を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 58 2.74 16.57 13.79 76.34
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 51 8.02 15.51 11.76 76.04
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 10 0.60 7.40 20.00 70.80
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 24.11
K616-7 ステントグラフト内挿術(シャント) 12.57
腎臓内科では種々の腎臓病に対して患者さんに合った適切な医療を行っております。患者さんの腎機能が低下し、腎代替療法・腎移植を検討する場合は、医師・看護師などの医療従事者・患者・家族で情報を共有、話し合いながらべストな治療を見つけていきます。透析療法選択(腹膜透析・血液透析)に関しては、十分な情報提供を行い、患者(家族)さんの意思決定を支援いたします。腹膜透析では腹膜透析用カテーテル留置術、血液透析ではシャント設置術を行います。またシャントトラブルに関しても十分な経験をもとにベストな治療法を提案いたします。患者さんに一番合った生活スタイルが過ごせるように提案させていただいております。(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 112 2.13 12.33 4.46 79.11
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 42 1.00 6.81 0.00 76.81
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 26 1.31 9.62 3.85 77.73
K6152 血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術) 17 1.29 13.00 0.00 77.82
K654 内視鏡的消化管止血術 17 0.47 21.71 17.65 78.94
1.内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 直径2センチメートル未満
  日本において大腸癌は患者数、死亡者数ともに増加してきており、その予防・早期治療のためにはポリープ(腺腫)の切除が重要です。
  当科では、年間400人近くの患者さんのポリープ切除を安全に行っています。
2.内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)
  胆管結石、胆管癌、膵癌などで胆汁の流れが悪くなると、黄疸・肝障害や胆管炎を起こし、生命に関わる状態となります。
  内視鏡を使って胆管内にチューブを留置するENBDを緊急に処置を行う必要があり、当科では年間100件以上の処置を迅速に行っています。
3.内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離手術
  日本人は胃癌の多い民族です。長らく最も患者数・死亡数の多い癌でしたが、がん検診での早期発見からの早期治療で減少傾向となっています。
  当科では、早期胃癌の内視鏡切除に力を入れており、年間50件ほどの治療を行い、良好な成績をあげています。
4.内視鏡的消化管止血術
  日本人の高齢化、合併症の増加により、未だに胃潰瘍・十二指腸潰瘍からの出血は生命に関わる疾患です。
  ほとんどの潰瘍出血は内視鏡的に止血出来ます。当科では緊急処置にも対応しております。
5.内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上
  早期胃癌と同様、内視鏡手技の進歩により、昔は不可能だった大きな大腸病変も内視鏡的に切除出来るようになりました。
  当科でも、年間20件以上の大きな病変に対する治療を行っており、安全に行えます。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 95 1.01 4.13 0.00 67.39
K570-3 経皮的肺動脈形成術 58 3.05 2.31 1.72 72.33
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 51 1.80 5.94 3.92 78.08
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 44 3.48 9.75 4.55 81.59
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 40 1.70 4.13 0.00 74.43
当科では、経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)が最も多い手術となっています。経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)は、頻脈性不整脈の原因となる心筋組織をカテーテルで焼灼する手術です。カテーテル先端から高周波電流を流すことにより、心筋組織を熱凝固させます。経皮的冠動脈ステント留置術は、まず、狭窄のある血管の内側からバルーン(風船)が付いたカテーテルを使って血管を押し広げ、十分な拡張がされていない場合、その部位に金属を網目状に加工したステントを留置し血液の流れを良くする手術です。留置後、ステントは血管内に留まり血管をささえ続けます。ペースメーカー移植術は、心臓のリズム(心拍数、脈拍数)が何らかの原因で規則正しく拍動しなくなった場合、それを補助するための機械(ペースメーカー)を体内に埋め込む手術です。ペースメーカーは電気的刺激を心臓に与え心臓の鼓動を維持(リズムを作り出す)する機械です。電池の寿命は10年前後で本体交換が必要となります。ペースメーカー本体の重さは25g前後と非常に軽いものです。慢性肺動脈血栓症に対する経皮的肺動脈形成術は広島県内では当院でのみ行っており良好な成績をおさめております。下肢の閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療も高齢者、透析など動脈硬化の進んだ状態にも積極的に行っており下肢切断回避につとめております。





外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 75 1.20 6.52 4.00 67.95
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 38 1.11 2.08 0.00 63.89
K6335 鼠径ヘルニア手術 31 0.97 3.03 3.23 76.55
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 28 1.07 8.39 0.00 72.46
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 20 1.35 12.20 0.00 73.40
当院外科では侵襲の少ない腹腔鏡手術を適切に選択して行っています。令和4年度の手術例においても患者数の多い手術に腹腔鏡手術が多く含まれました。最も多かった手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術で、その対象は胆嚢結石症、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症や急性胆嚢炎などです。2番目と3番目に多かったのは、鼡径ヘルニア手術でした。鼡径ヘルニア手術には、腹腔鏡手術と鼠径部切開法とがありますが、鼡径ヘルニアの大きさやタイプ、既往手術歴などを考慮して、どちらの術式を選択するかを決めています。また、乳腺悪性腫瘍に対する手術は、根治性と整容性の両面から考慮した手術を行っています。悪性腫瘍に対する手術は、結腸癌を含め、高齢の方に行う割合が高くなっています。当科では各臓器専門のスタッフが手術を担当しますので、合併症の少ない手術が行えており、また栄養サポートチームや運動リハビリチーム、嚥下リハビリチームなどの各チーム医療が関わって、術後の患者さんがお元気で退院できるように支援をしています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 120 2.79 20.74 64.17 82.43
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 77 2.43 22.75 76.62 84.17
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 66 3.29 17.36 21.21 73.47
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 50 1.82 23.44 50.00 77.22
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 43 2.37 14.88 13.95 59.86
日本全体の超高齢社会が進む中で、とくに呉市は高齢化率が34%以上であり、骨粗鬆症を基盤とした高齢者の骨折が多く発生します。骨粗鬆症性骨折のうちとくに高齢者の大腿骨近位部骨折は、寝たきりを防ぐためにできるだけ早期に手術治療をぉこない、すぐにリハビリテーションを開始して歩行訓練を行う必要があります。とくに令和4年4月より大腿骨近位部骨折については術後骨粗鬆症の治療を開始継続すること、また早期手術を行うべきことが厚労省の保険点数の見直しからも進められ得ています。また、上肢についても高度に転位した橈骨遠位端骨折も高齢者に多く発生し手術にてプレートによる内固定を行うことで、ギプスなどの外固定を使用することなく翌日より可動域訓練を開始します。手術創が治れば入浴など無理をしなければ通常通りの日常生活を送れるようになります。骨粗鬆症や転倒しやすさなどの評価をして、必要ならその治療を開始することで、次の骨折予防にも力を入れています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 35 0.37 13.46 17.14 78.89
K1742 水頭症手術(シャント手術) 15 1.87 17.27 20.00 77.80
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
最近の高齢化の影響もあってか、頭部外傷後の慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術や特発性正常圧水頭症に対する髄液シャント手術が多くを占めています。慢性硬膜下血腫、特発性正常圧水頭症はいずれも高齢者に多く、認知症や歩行障害などで発症することも多く、前記手術にて症状改善も期待でき、生活の向上につながっています。脳腫瘍に対しては、CT、MRI、血管撮影などで評価の後、ナビゲーションシステム、MEPモニタリング、最新の手術顕微鏡などを駆使して、頭蓋内腫瘍摘出術を行い、病理組織診断に応じて、その後の治療を検討しています。脳出血に関しては、CTなどの画像検査、患者の状態などを総合的に評価して、開頭による頭蓋内血腫除去術、穿頭による定位的血腫ドレナージ術、保存的治療のうち、いずれかの方針を決定して治療を行っています。脳血管障害や頭部外傷にて食事経口摂取障害を来した場合、消化器内科に依頼して経皮的内視鏡下胃瘻造設術を行っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 19 1.37 8.74 0.00 78.37
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 16 1.56 11.94 0.00 75.94
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 10 2.30 17.20 10.00 48.90
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)
K488-4 胸腔鏡下試験切除術
呼吸器外科の手術は、腫瘍浸潤が認められたり広範囲の切除を予定している症例以外は、単孔式胸腔鏡下に行っております。従来の開胸手術や多孔式胸腔鏡手術と比べ、創部痛が軽減しています。
また、悪性腫瘍手術においては腫瘍の状況と患者様の状態を総合的に判断し、肺葉切除術/肺区域切除術/肺部分切除術を選択し行っています。
近年は高齢の患者様が増えてきていることもあり、不安なく日常生活に戻れるようしっかりリハビリを行い退院されています。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています)
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 48 1.31 3.52 0.00 66.44
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 38 1.26 5.29 0.00 74.58
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 23 1.61 4.22 0.00 77.04
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 13 0.62 11.92 15.38 72.92
K7981 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 10 1.90 3.10 0.00 77.00
尿路結石、膀胱癌に対する内視鏡下手術が多いです。腹腔鏡下手術はほぼ例年どおり。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 24 0.92 4.08 0.00 60.42
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 19 1.00 5.95 0.00 36.11
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術) 17 1.00 4.12 0.00 43.18
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)
K368 扁桃周囲膿瘍切開術
手術症例は、内視鏡下鼻副鼻腔手術(選択的複数洞手術)が多く、次いで口蓋扁桃摘出術、内視鏡下鼻中隔手術、汎副鼻腔手術、扁桃周囲膿瘍切開術の順になっています。他、喉頭微細手術、耳下腺甲状腺など頭頚部腫瘍手術などです。
(※年間の患者数が10未満の場合は、数値を−(ハイフン)で表しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.03
異なる 9 0.14
180010 敗血症 同一 31 0.47
異なる 23 0.35
180035 その他の真菌感染症 同一 2 0.03
異なる 1 0.02
180040 手術・処置等の合併症 同一 122 1.84
異なる 7 0.11
この指標は、医療の質の改善に資するため、ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、DPCコードにて分類された病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
「同一」ということは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。一方「異なる」ということは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気(この指標の場合は、播種性血管内凝固や敗血症、手術・術後の合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。合併症は、術後出血や創部感染などどのような術式でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者様へ説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。また、手術後の合併症を改善するため、全身麻酔等を行う患者様には、周術期の口腔ケアを行っています。

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