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健康コラム

負担の少ない腰椎椎間板ヘルニア治療-椎間板内酵素注入療法-

2021.09.01

腰椎椎間板ヘルニアは鎮痛薬、リハビリ、コルセットなどの治療で改善しない場合、手術となっていました。しかし、2018年に新しい治療法である椎間板内酵素注入療法が登場しましたので紹介します。


◆ 治療の方法

ヘルニコア(細菌から分離・精製された酵素)と呼ばれる薬剤を椎間板内に注入することにより、椎間板を融解、椎間板ヘルニアの縮小が期待できます。(下図参照)治療は1泊の入院で行っています。局所麻酔後に椎間板に針を刺しヘルニコアを注入します。病棟で
経過をみて問題なければ、翌朝に退院となります。退院後の日常生活に制限はありませんが、1週間程度はスポーツ、重労働は控えていただきます。


◆どのような方が治療対象となるか

椎間板ヘルニアによる神経の圧迫があり、下肢痛(坐骨神経痛)がある方が適応となります。椎間板ヘルニアがあっても腰痛のみの場合は適応になりません。また、腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症などがあれば治療できない場合もあります。


◆ 治療成績

私が以前勤務していた病院を含めて治療した症例は約80例ですが、7~8割の方が満足されていました。13~82歳まで治療しましたが、高齢になると効果が出にくくなる傾向があり、60歳くらいまでが効果が出やすいと考えます。


◆ 利点・欠点

手術のような切開は必要なく、翌日から通常の生活ができます。欠点としては薬の効果が出るまで1週間から1か月程度必要なので、すぐに効果は出ません。また、この薬は生涯に1回しか使えません。副作用として薬に対するアレルギー反応(アナフィラキシー)が稀に出ることがあります。すべての椎間板ヘルニアに対して適応できるわけではありませんが、腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方は当院整形外科へご相談ください。

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