新型コロナウィルス感染症の世界的な大流行が続いています。呉地域においても感染の波が何度もやって来て、緊張と不安を抱えながらの生活となっているのではないでしょうか。
新型コロナ流行下のがん治療については、緊急性や重篤性に応じて治療方針を決定するべきという提言が関連学会から出されています。一口に乳がんと言っても、ホルモン剤の内服で進行を抑えられる大人しい乳がんもあれば、すぐに抗がん剤や手術を行うべき進行の早い乳がんもあります。
なるべくコロナに罹らないようにしつつ、進行乳がんで命を落とすリスクを減らす― そのために、まず行うべきは『 乳房のセルフチェック 』。早い話が、乳房にしこりが無いか触ってみて!!というお願いです。お元気な方はご自分で。自分で行うのが難しい方に対しては、入浴時等にご家族や介護施設職員さんが、ぜひチェックをお願いします。
症状の正体を突き止めること、進行がんを放っておかないことがとても大切です。コロナ禍を無事に乗り切ったとしても、進行した乳がんを持って生活するのは大変なことです。自分を守る、家族を守る、入所者を守る、その第一歩が乳房のセルフチェックです。大きな病院へ行かなくてもできます。
乳がんと診断されたら外科治療(手術)/薬物治療(ホルモン薬、抗がん剤)/放射線治療の3本柱で治療を行っていきます。手術では、乳房を全て切除する乳房切除術と、がんから約2cmの安全域を含め部分的に切除する乳房温存術があり、どちらも腋窩(わき)のリンパ節に対する手術も同時に行います。乳房切除術では、乳房の膨らみを取り戻す「乳房再建」という選択肢もあります。
どんな状況でも、しっかり患者さんと話し合って治療方針を決めていきます。まずはセルフチェックを行って、ご不安や迷いがあれば、ぜひ当院乳腺外科を受診してください。