放射線部は西館地下1階およびRI棟1階に検査室があります。各診療科からの依頼で検査を実施し、診断に有用な画像情報を提供しています。スタッフ一同、患者さんに安心して検査を受けていただくよう、心がけてまいります。放射線検査に関してご不明な点がございましたら、当院放射線部スタッフまでお気軽にお尋ね下さい。
機器 | 台数 |
---|---|
X線一般撮影装置 | 4台 |
回診用X線撮影装置 | 4台 |
乳房撮影装置 | 1台 |
歯科撮影装置 | 1台 |
X線TV透視装置 | 4台 |
外科用X線装置 | 5台 |
骨密度測定装置 | 1台 |
CT装置 | 2台 |
MRI装置 | 2台 |
X線血管造影装置 | 2台 |
核医学診断装置 ガンマカメラ | 1台 |
放射線治療装置 リニアック | 1台 |
体外衝撃波砕石装置 ESWL | 1台 |
検査に利用しているさまざまな装置・検査についてご紹介します。
胸部、腹部や脊椎、四肢等の骨全般で頭から足先まで一般的に用いられる比較的簡便な検査です。診断に必要な場合、まずこのエックス線撮影検査がファーストチョイスとして実施されることが多く放射線科においても最も割合を占めます。1895年にX線を発見したW.C.レントゲン博士にあやかりレントゲン検査とも言います。
当院では撮影室全室にフラットパネルディテクタを導入しており、リアルタイム撮影・表示が可能となり、より検査が迅速・確実と効率化を図っています。
検査時の注意
X線写真には、金属やプラスチック(ホック、ファスナー、ボタン等)が写りますので、検査前に着替えていただくことがあります。
X線透視検査とは
X線を使用してテレビモニターで目的部分を透視観察し、必要な写真を撮る検査です。 一般的によく知られているのは胃や腸などの消化管検査です。 そのままではX線写真に写らないので、バリウムなどの造影剤を使用します。
X線透視検査の例
・胃透視検査
胃や食道などの検査です。バリウム造影剤と胃を膨らませる発泡剤を飲んで撮影します。バリウムを胃や食道の壁に付着させ、その形状や病態などを診ます。
・注腸検査
大腸の検査です。肛門よりチューブを挿入しバリウムと空気を注入します。大腸がん、ポリープ、大腸炎などの診断・治療を行います。
・ミエログラフィ(脊髄造影)
ヨード造影剤を使用する腰や首等の脊髄の検査です。椎間板ヘルニアなど、神経を圧迫している状態を把握するための検査です。痛みの治療として、神経根ブロックを行うこともあります。
・子宮卵管造影検査
子宮や卵管の通過障害の有無を確認します。不妊の診断・治療に大切な検査です。
・嚥下造影検査
造影剤を混ぜたゼリーなどを食べながら、飲み込む状態をX線透視で確認します。
嚥下機能の評価・診断を行う検査です。
X線透視検査を受ける服装について
検査目的により、検査着に着替える場合があります。
金具やボタンのついたもの、その他、時計やアクセサリー、湿布なども外して頂きます。
検査前の注射について
胃や腸などの検査では、検査前に胃腸の動きを抑える薬を使用することがあります。
ただし、この薬が使えない方もいらっしゃいますので、検査前にお渡しする問診票にご記入ください。
ご不明な点がございましたら、スタッフまでお尋ねください。
マンモグラフィは、乳房のわずかなしこりや石灰化を画像で描出し、乳がんの早期発見に役立ちます。 より精細な画像を撮るために、乳房を挟んで圧迫して撮影します。この圧迫により乳腺が広がり、小さな病変も検出しやすくなります。 また、乳房をできるだけ薄くすることで、乳房内部の様子がよくわかり、エックス線の線量もかなり減らすことができます。
圧迫時による痛みは個人差があり、乳腺が多く残っている方ほど痛みを強く感じる傾向にあります。また、月経の1週間前は痛みを強く感じることが多いため、月経終了後1週間くらいの乳房がやわらかい時期に検査を受けることをお勧めします。
CTとは、Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置の略です。
X線を使って身体の断面を撮影し、画像化する装置です。当院では2台が稼動しており、診療各科の要望に即応しうる体制を整えています。
近年の技術進歩により、短い撮影時間で全身の撮影が行え1mm以下の断層画像を作成できるため、小さな病変の検出や、薄い画像を重ね合わせて3次元画像として表示することが可能で診断に役立てています。
また、造影剤(非イオン性ヨード造影剤)を使用することにより、腫瘍病変の判別や、血管走行の把握など精密検査として、より詳しい画像情報を得るために投与されます。
【造影剤(非イオン性ヨード造影剤)の使用に際して】
ヨード造影剤は安全な薬剤ですが、一定の頻度で次のような副作用が生じる事が知られています。
1.軽い副作用:かゆみ、発疹、発赤、悪心、嘔気
これらの副作用は、100人に1人以下、すなわち1%前後の頻度で起こりますが、特に治療を必要とせず、検査当日でほぼ収まります。
2.重篤な副作用:息苦しさ、暖声、血圧低下(ショック)、意識消失、腎不全
発生頻度は、2.5万人1人、つまり0.004%とわずかですが、入院のうえ治療が必要です。他の多くの薬剤と同様に約40万人に付き1人、つまり0.00025%の頻度で、死亡例の報告もあります。
3.遅発性副作用:頭痛、嘔気、かゆみ、発疹、咳、冷や汗、動摩
発生頻度は、1000人に1人、つまり0.1%前後の方で、検査後数時間から数日後に副作用が発生することがあります。
上記副作用の出現は、アレルギー体質で3倍、喘思の方で10倍多いと言われています。また腎機能の悪い方、甲状腺機能元進症(バセドウ病)、骨髄腫、マクログロブリン血症、テタニー、褐色細胞腫のある方は病状が悪化するおそれがあります。そのような病気にかかったことのある方は主治医にお申し出下さい。
腎機能障害について
ヨード造影剤使用により腎機能障害起きることがありますので、腎臓への影響が心配される患者さんには、慎重な投与、造影剤使用量をできるだけ控えたりします。
併用薬剤について
ビグアナイド系の経口糖尿病用薬をを服用されている方は、併用に際して注意が必要ですので、主治医にお尋ね下さい。
以上をふまえて、次に該当する方は、問診の際にお知らせください。
・以前に造影剤を使った検査で気分が悪くなったことがある方
・これまでに腎臓の機能が悪いと言われたことがある方
・喘息やアレルギーがある方(花粉症、食べ物、薬などによる蕁麻疹、アトピー体質)
・心臓病、肝臓病、腎臓病、糖尿病、甲状腺などの病気がある方
・妊娠している、または妊娠の可能性がある方
造影検査をお受けになる前に
・検査当日の食事について
午前の検査の方・・・朝食をとらないで下さい
午後の検査の方・・・昼食をとらないで下さい
水やお茶などの水分の制限はありません。普段より多少多めにお飲みください。服用中のお薬については、医師からの指示がない限り、通常どおり服用して下さい。
注射漏れについて
造影剤を急速に注入することにより、血管外に造影剤が漏れる場合があります。この場合、注射部位が腫れて痛みを伴うことがありますが、基本的には時間とともに吸収されるため、心配いりません。漏れた量が多い場合には、別の処置を要することもありますが、非常に稀ではあります。
造影剤の臨床的な有用性について
ヨード造影剤を使用しない場合には、病気の種類によっては、病変が検出されなかったり、診断に迷ったりする可能性があります。ヨード造影剤を使用しないCT検査にかわる検査法としてMRI検査や超音波検査などがあります。各々の検査法において、利点や欠点が病気の種類によって異なりますので、ご不明な点があれば主治医にお尋ね下さい。
MRIとは、Magnetic Resonance Image:磁気共鳴画像法の略です。
強力な磁場と電波を利用して人体の組織がもつ周波数を検出し、X線検査では得にくい情報を画像化し、放射線被ばくのない画期的な検査方法です。全身の臓器をいろいろな方向の断面で観察することが可能です。
当院では、2台の装置が稼動しております。装置の開口径が従来よりも広いタイプとなっているので、圧迫感が少なく開放的で、狭いところが苦手な患者さんにも優しい検査環境となっています。
MRI検査が受けることができない方
以下の方はMRI検査を受けられない場合がありますので、担当医または検査担当者にお知らせください。
・心臓ペースメーカー、埋込型除細動器などの体内電子機器を埋め込まれている方
・人工内耳や人工中耳を埋め込まれている方
・脳動脈瘤クリップなどの体内に金属製のものを埋め込まれている方
・水頭症治療用の圧可変式バルブシャントが埋め込まれている方
・磁石の義歯(磁性アタッチメント義歯)を装着されている方
・金属を使用した歯科矯正器具を装着されている方
・インスリンポンプ、持続グルコース測定器を装着されている方
・入れ墨やアートメイクをされている方
・ジェルネイルやマグネットネイルをされている方
・妊婦または妊娠している可能性がある方
・閉所恐怖症など狭いところが苦手な方
検査前のご確認
MRI検査は強い磁石の力が働いています。所持品を持ち込むと破損のおそれや、画像に影響を与える可能性があります。そのため、検査室には以下の持ち込みはできませんので、あらかじめ外しておいてください。
磁気カード:キャッシュカード、クレジットカード、診察券、駐車券など
金属類:時計、眼鏡、財布、鍵、ヘアピン、ネックレス、ベルトなど
その他:義歯、補聴器、携帯電話、スマートフォン、湿布、カイロ、エレキバン、アイメイク(アイシャドーやマスカラ)カラーコンタクトレンズなど
MRIの造影剤について
MRI検査ではより詳しい検査を行うために造影剤を使用することがあります。通常、腕の静脈より注射をします。使用する造影剤は比較的副作用が少ない医薬品ですが、今までに造影剤を使用して気持ちが悪くなった方やじんましんが出た方、気管支喘息がある方は副作用の出現する頻度が高いため、原則的には用いることができません。
この検査は、放射線医薬品(ラジオアイソトープ(RI)を含んだ薬:以下RI)を使用する検査です。RIとは、自ら微量の放射線を出す物質で、その放射線の量は、時間と共に減っていきます。検査では、薬を注射または内服により臓器に集積し、その放射線を専用のカメラで検出、心臓や骨などの画像として描出するものです。検査にかかる時間は、約20~30分程度です。
なお、使用する薬剤の種類や量によって待ち時間や検査に時間がかかる場合があります。薬による副作用の心配はありません。検査で受ける放射線の量は、胸や胃のX線撮影と同じかそれ以下です。放射線の量も時間とともに少なくなり、体外に尿や便として排泄されるため、身体への影響についても心配ありません。 また、検査には専門の知識と技術をもって当たっていますので、ご安心ください。
X線を使って、骨粗しょう症を調べる検査です。
人体の骨の位置と形状は、それぞれの体格や体型によって大きく異なります。測定部位を複数回走査して收集した画像を再構成し、腰椎と大腿骨の正確な位置、大きさ、形状を判定、骨の面積、骨塩量の正確な測定を行います。
当院の装置はスマートファンビームを採用し、CZT(Cadmium-Zinc-Telluride)検出器を搭載しており、高画質、低被ばく、高精度を実現しています。検査時間は約10分、仰向けに寝ていただくだけの検査です。
血管造影検査は、血管の中にカテーテルと呼ばれる細い管を入れて検査・治療を行います。
血管走行や病変部を明確にするため、カテーテルから造影剤(非イオン性ヨード造影剤)を使用します(造影剤の使用について、詳しくはCT検査欄をお読み下さい)。
当院では、2台の血管造影装置が稼働しています。
血管造影装置で行なう治療は血管系IVR(Interventional Radiology)と呼ばれ、頭頚部血管領域、心臓血管領域、腹部血管領域、末梢血管領域等と全身の血管が治療対象となります。
頭頚部血管造影検査・治療
頭部血管撮影の主な対象疾患は、脳梗塞、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻、もやもや病、内頚動脈狭窄症等があり、病変の位置、大きさの把握や流入動脈・流出静脈の確認、治療方針の決定等行ないます。
・脳動脈瘤コイル塞栓術
・頚動脈ステント留置術(CAS)
・経皮的脳血栓回収術
体部・末梢血管造影検査・治療
消化器内科、腎臓内科、循環器内科など各診療科で検査・治療を行なっております。
・肝動脈化学塞栓術(TACE)
・シャント治療(VAIVT)
・下肢動脈の血管内治療(EVT)
心臓血管検査・治療
心臓血管撮影の主な対象疾患は、虚血性心疾患、不整脈疾患、心筋・心膜疾患、肺血栓閉塞症・肺高血圧症があります。
・経皮的冠動脈インターベンション(PCI)
・高周波カテーテルアブレーション(RFCA)
検査・治療は約30分~数時間かかることもあります。
ご不明な点がございましたら、スタッフにお申し付け下さい。
細胞の増殖を抑えかつ壊死させる効果を持つ電離作用を利用し、高エネルギーX線・電子線を用いて行われます。身体の外から放射線を当てて腫瘍を縮小、根治する治療です。
放射線治療は一定期間に渡り治療を行なうため放射線治療専門の医師が治療を計画して、それに従い専門の知識を持った技師が治療を行います。
画像照合装置(IGRT)とCBCT(Computed Tomography)を組み合わせて高精度放射線治療機を導入しています。