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循環器内科

循環器内科について

循環器内科の概要と特色

循環器内科では、高血圧など一般的な疾病はもとより、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、心不全(弁膜症、心筋症、心筋炎など)、不整脈、動脈瘤、下肢閉塞性動脈硬化症など末梢血管疾患、慢性肺動脈血栓塞栓症を含めた肺高血圧症等の診療を行っています。各種疾患の診療において、ガイドラインや治療効果に関するエビデンス(各種大規模研究の結果)に基づいた診療を行っております。特に当科ではカテーテルによる血管形成術、不整脈治療、肺高血圧治療に力を入れております。

循環器内科において重要な分野が救急診療です。呉共済病院では従来から緊急を要する患者さんに対して24時間循環器専門医の診断を受けることが可能な体制を整え、緊急でカテーテル検査・治療を施行しています。2025年4月より心臓血管外科の常勤医不在のため、緊急手術が必要となった場合は、複数の病院と緊密な連携をとっており、ただちに対応していただける体制を整えております。
呉地区の診療集約化に伴い当院では腎不全、透析患者さんが集中しており、こうした病態に合併する重症な冠動脈疾患や下肢の動脈閉塞から疼痛、潰瘍形成を併発した重症下肢虚血に対してもカテーテル治療を行い、患者さんの生活の質の改善に努めております。
地域の先生方とは地域医療連携室を通じてのご紹介、直接のご紹介ともにお受けしており、必要な診断・治療を入院・外来で行い、その後再び地域の先生の所へ御紹介する体制をとっています。

循環器内科診療のコンセプトは的確な診断・丁寧でわかりやすい説明・最善の治療です。急性・慢性に関わらず患者さん自身・御家族の方の循環器系の診療は呉共済病院循環器内科にお任せください。

循環器内科で扱っている主な疾患

対象疾患と検査・治療の実例および実績

冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)
冠動脈疾患は心臓に酸素と栄養を供給する冠動脈が何らかの原因で狭窄・閉塞をきたすと発症する疾患です。狭心症や心筋梗塞などがあります。当院では、冠動脈疾患に対するカテーテル検査・治療を24時間365日行えるようにしています。また、ドクターだけでなく、医療スタッフと連携しながら安全に行えるように努めています。
症状
  • 胸のしめつけ感や圧迫感
  • みぞおち周辺の痛み
  • 顎や歯、左肩から腕にかけての痛み
  • 夜間から早朝の安静時の痛み(数分程度)
  • 運動時の痛み増強
  • 冷汗・悪心・嘔吐
カテーテル治療
カテーテル治療は、狭窄・閉塞している部分にバルーンと呼ばれている風船で広げ、金属で作られたステントを留置して治療を行っていきます。
石灰化病変に対する治療
ローターブレーター
高速回転(約20万回転/秒)をしながら、先端にダイヤモンドの粒子が埋め込まれたバーが石灰化した硬い部分を削りながら治療していきます。
実績
不整脈
不整脈は動悸を自覚するものから、自覚症状がなく検診などで初めて指摘されるものもあります。脈が速くなる頻脈性不整脈と脈が遅くなる徐脈性不整脈に分類されますが、脈拍数が正常な不整脈もあります。症状からみてその不整脈の危険性を予測すると概ね下のようになります。

ただし、危険は少ないものの中でも、脈の乱れが強い(バラバラな)場合は、心房細動という、脳梗塞や心不全のもとになる厄介な不整脈かもしれません。なるべく症状や脈の異常がある時にどこかを受診をして心電図をとってもらいましょう。

頻脈性不整脈は上室性不整脈(発作性上室性頻拍・心房細動・心房粗動等)と心室性不整脈に分類されますが、"大丈夫"と安心することが一番の治療になるものから、薬を必要とするもの、薬でも解決しないものまであります。
頻脈性不整脈に対する治療
経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)
当院は呉では唯一カテーテルアブレーションを行う不整脈専門医研修施設です。
カテーテルアブレーションとは薬で対処できない場合や薬の代わりに行う治療法で、薬に比較して効果が高く、不整脈によっては根治(完全に治って薬が不要になる)が期待でき、安全性も高いものです。保険が適応される手術の一種ですが、手術室ではなくカテーテル室(血管造影室)で行い、血管から長い管を入れて心臓の内側の筋肉を焼灼して治療します。現在の内訳はほとんどが心房細動またはそれに関連した不整脈になっています(図)。
図表:下からから順に、1年以上持続した心房細動(LS PerAF)、1週間~1年以内の持続性心房細動(PerAF)、1週間以内に自然停止する発作性心房細動(PAF)、心房粗動、心室期外収縮・心室頻拍(PVC/VT)、発作性上室頻拍(PSVT)、心房頻拍
心房細動以外の多くの上室性頻拍は局所麻酔で大体2時間以内に終了し入院は1泊2日か2泊3日です。それに対して心房細動のアブレーションは麻酔で完全に寝てもらっている間に行い、4~6日の入院を基本にしています。その理由として、術後しばらく、逆に脈が不安定になる場合があること、合併症の種類が多く重症度も高いものがあること、その多くが1週間以内に生じることなどです。心房細動のアブレーションには現在、以前からある高周波カテーテルと冷凍バルーンカテーテルにかわって、重篤な合併症が少なく安全性の高い最新のパルスフィールドアブレーションを主に使用しています。いずれも3次元(3D)マッピングシステムを使用して質の高い治療を心がけています。
左図:透視画像で白く抜けてるのが冷凍バルーン
右図:3DマッピングシステムEnSiteで冷凍焼灼後の左房を色付け。灰色が冷凍焼灼されたところ。
パルスフィールドアブレーション
左図:Medtronic社PulseSelect
右図:Boston社FARAWAVE
徐脈性不整脈に対する治療
植込みデバイス治療・検査

徐脈性不整脈は、自覚症状、ホルター心電図、必要に応じて心臓電気生理学的検査も行って薬物治療の適応、人工ペースメーカー治療の適応を判断します。当院のペースメーカー手術は局所麻酔で行い、入院は8泊9日です。植え込み後は必要に応じて不整脈やペースメーカーのトラブルを早期に検知するための遠隔モニタリングを行うこともありますし、患者さんの地元近くの提携するクリニックでペースメーカーチェックをしてもらうこともあります。また以前のペースメーカーはMRI検査が不可能でしたが、現在は条件により適切な準備・設定をすればMRIを撮像することが可能です。

原因不明の失神で不整脈が原因として疑われる場合や、原因不明の脳梗塞の原因として不整脈が疑われる場合などに、主に外来の局所麻酔で挿入式心電計の植え込みも行っています。現在メドトロニック社とアボット社の2種類あります。

そのほか、頻脈性不整脈で心室頻拍や心室細動という命にかかわるもの、心不全で適応があると判定した場合には、植え込み式除細動器や除細動機能付き両心室ペースメーカーの植え込みが必要ですが、これらの治療については2025年4月より当院を含め呉市内で施行可能な施設がなくなったため、広島市内の病院へ紹介させて頂きます。
肺高血圧症
肺高血圧症は、様々な原因で肺動脈の圧力が高くなり右心不全を起こす厚生労働省指定の難病です。以前は良い治療がありませんでしたが、近年治療薬の開発が進んで治療できるようになりました。なかでも肺動脈性肺高血圧症と慢性血栓塞栓性肺高血圧症は全国に患者数が数千人しかいない希少疾患です。治療法は極めて専門性が高く、専門知識と数多くの治療経験を持つ医師が少ないのが現状です。
当院では、100例以上の肺動脈性肺高血圧症、100例以上の慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療経験をもとに、最先端かつ患者様おひとりの病態に即したオーダーメードの治療法を提供できるように努めています。
関連リンク
症状
  • 息切れ(徐々に悪化)
  • 胸痛
  • 足のむくみ
  • 疲れやすい
  • 息苦しい、呼吸困難
  • 失神
  • 咳や血痰
肺高血圧症の検査
  • 血液検査
  • 胸部レントゲン
  • 心電図
  • 心臓エコー
  • 肺血流シンチグラム
  • 胸部CT検査
  • 右心カテーテル検査
右心カテーテル検査とは
右の首の静脈からカテーテルを挿入し、右心房、右心室、肺動脈などの圧測定を行います。また、心拍出量や肺動脈酸素飽和度を測定することにより心臓の機能や状態を把握することができる大切な検査です。
肺高血圧症の治療
肺高血圧症では薬物療法で治療を行っていきます。
第4群の慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は下記の通りの治療があります。
  1. 1. 外科的肺動脈血栓内膜摘除術(当院では施行しておりません)
  2. 2. 経皮的バルーン肺動脈形成術(BPA)
  3. 3. 薬物治療
BPAはカテーテルを用いて肺動脈の狭窄・閉塞部位を広げる治療です。現在では低侵襲性でありながら大きな治療効果が得られる治療方法です。
実績
血管疾患
血管疾患とは体の真ん中を通っている大血管や腕や足などの末梢血管に起きる疾患です。近年、食生活の欧米化や高齢化社会が急速に進んでいる中で、動脈硬化性疾患が増加傾向にあります。動脈硬化によって、血管が詰まったりするだけでなく、動脈瘤を形成したり、血管の壁が裂ける動脈解離の原因にもなります。その中でも当院では、透析患者が多く閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療を他の診療科と連携を図りながら行っております。
下肢の末梢動脈疾患の症状
  • 足の冷感、しびれ、色の変化
  • 間欠性跛行(一定の距離を歩くと足が痛くなって歩けなくなるが、休憩すると痛みが緩和してくる)
  • 安静時疼痛(動いていなくても足に痛みが出る)
  • 潰瘍・壊死(傷から潰瘍を形成したり、足先が腐ったりする)
検査
  • 身体所見
  • 下肢動脈造影CT検査
  • 下肢動脈MRI検査
  • 下肢動脈エコー検査
  • 足関節上腕血圧比(ABI)検査
  • 皮膚灌流圧(SPP)検査
治療
治療はカテーテルを使用します。足の付け根や肘の血管からカテーテルを挿入して、狭窄・閉塞している血管を広げることで血流を確保します。広げるためにバルーンや金属のステントを留置して行います。
(左足膝下の血管の画像)
実績

スタッフ紹介

  • 循環器内科

    医師

    循環器内科部長
    健康医学センター部長

    友弘 康之

    ともひろ やすゆき

  • 循環器内科

    医師

    不整脈科部長
    循環器内科医長

    平位 有恒

    ひらい ゆうこう

  • 循環器内科

    臨床研究科

    医師

    臨床研究科部長
    循環器内科医長

    土肥 由裕

    どひ よしひろ

  • 循環器内科

    医師

    循環器内科医員

    栗本 元輝

    くりもと げんき

  • 循環器内科

    医師

    循環器内科医員

    西郷 聖人

    さいごう まさと

外来診療担当医表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前診療 友弘 友弘 土肥

西郷

友弘
平位

栗本

平位 平位 栗本
土肥 土肥 土肥
専門外来
(午後)
平位
(不整脈)

平位
(不整脈)

平位
(不整脈)