・別名:血球計数、血算
・CBC検査には末梢血液中の赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)、が含まれます。これらは自動血球分析装置で同時に測定できます。また白血球分類や網赤血球数も計測できます。
・血液の病気だけでなく、身体の状態を把握する基本的な検査の1つです。
1.CBC検査
自動血球分析装置はSIEMENS社のADVIA2120iとSysmex社のXN-1500を使用しています。
自動血球分析装置
ADVIA測定結果画面
2.検査結果の承認
機器や検体のエラーがないか、また、検査結果に大きな変動はないか、病気の原因は何か、など一つ一つ確認しながら、正確かつ迅速に結果を送信していきます。
・CBC検査で一定の基準値を超えたものについては、標本を作製し、染色後、臨床検査技師が顕微鏡で観察します。
白血球分類(好中球・好酸球・好塩基球・単球・リンパ球)の他、幼弱細胞や異常細胞が出ていないか、また白血球・赤血球・血小板の形態を観察する検査です。
・血液像を観察することによって、身体の状態やどんな病気があるかをある程度知ることができ、ほとんどの血液疾患の手がかりを得ることが出来ます。
1.標本作製およびメイ・ギムザ染色
一枚ずつ標本を作製し、数枚まとめて染色します。染色には約30分程度かかります。
末梢血標本の作製
メイ・ギムザ染色
2.目視分類
染め上がった標本を顕微鏡で観察をします。
異常細胞の出現や、赤血球・白血球・血小板の形態異常から炎症や貧血、血液疾患などが分かります。
白血病細胞(ATL)
MG染色×1000
血小板凝集像
MG染色×400
・局所麻酔をかけて骨髄液を採取します。血液は骨の中(骨髄)で作られるため、血液の基である骨髄液を採って調べることで、血液疾患の有無や貧血の原因など色々なことが分かります。
・血液疾患の診断には必須の検査です。その他、異常細胞の浸潤の有無や、血液疾患の除外目的、また治療効果を見るためなどに行われます。
1.標本作製
採取された骨髄液から、造血細胞の固まりである骨片(particle)を選び標本を作成します。
2.骨髄像
標本はメイ・ギムザ染色をして、顕微鏡で観察します。
細胞の種類を分類しながら、骨髄での造血能は正常か?細胞の分布に偏りがないか?異常細胞や形態異常はないか?などを観察します。
急性単球性白血病
MG染色×1000
癌の骨髄転移
MG染色×1000
・通常、血液は体の中(血管内)では固まらず流れていますが、いったん血管外に出ると、血液は固まって出血を止める(凝固)働きがあります。一方、体の中で凝固が起こり血栓が生じるのを防ぐため、血栓を溶かす働き(線溶)も持っています。
・凝固・線溶検査では、それらの仕組みが正常であるかを調べます。また、ワーファリンやヘパリン治療のモニタリングの為にも検査をします。
血液検査室ではその他に、血小板凝集能検査、胸水・腹水細胞分類、関節液細胞分類、鼻汁好酸球検査を行っています。