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消化器内科

消化器内科について

消化器内科の概要と特色

消化器内科は、日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設に認定されており、高度な専門医療を行っています。現在スタッフは7名で、岡本、児玉、畠山は上部消化管、下部消化管を中心とした消化器疾患を、野間は膵臓、胆道系を中心とした消化器疾患を、吉岡は炎症性腸疾患を、阿座上は肝臓を中心とした消化器疾患を中心とした消化器疾患を専門にしています。
消化器内科はチームワークが良いのが特徴で、治療方針の決定はカンファレンスで行い、治療に際してはチームを組んで行っています。
消化器内科(消化管)

当院の内視鏡件数は上部(胃カメラ)年間約5,000件、下部(大腸)約1,500件、ERCP(胆膵)約200件と、広島県内でも有数の件数をこなしています。
特に内視鏡治療には力を入れており、例えば内視鏡的粘膜切除術(EMR)による早期胃がん治療は年間30~40例を行っており、経験豊富です。また、最近ではさらに大きな病変でも確実に切除することができる内視鏡的切開剥離術(ESD)を導入し、より高度な治療を提供しております。

大腸内視鏡の話題としては、拡大内視鏡による検査を行っております。これは、大腸腫瘍の表面構造詳細に観察することによって良悪性の判定や浸潤の深さを推測することが可能であり、その結果最も適切な治療法を選択できるという利点があります。そのほか、内視鏡的に総胆管結石を摘出するEPBDという治療や、内視鏡的胃瘻造設術(PEG)なども数多く行っております。毎日内視鏡当番医を決めてあり、救急や緊急に必要な内視鏡検査にも対応しています。当院の消化器内科医師は全員内視鏡専門医であり、高水準の検査、治療が行えます。

当然ながら、内視鏡検査以外にも、超音波診断・治療も積極的に行っています。超音波はこれまで肝、胆、膵を中心に検査することが一般的でしたが、近年胃・小腸・大腸といった消化管の疾患を検査することも可能となりました。消化管の超音波診断はまだ難しい技術ですが、当院には専門の研修を受けた医師がおり、最先端レベルの検査が行えます。

消化器内科のもう一つの特徴として、外科との連携が非常にスムーズであると言うことです。消化器内科と外科は外来部門が共通の受付になっており、事務レベルでも、医師同士も常にコミュニケーションがとれる態勢です。外科との協力により、患者さんにとって適切なチーム医療が行える環境が出来ています。日本人には消化器疾患が多い事もあり、今後も消化器内科に対する期待に応えていけるよう、研鑽を怠らず診療してまいります。


消化器内科(肝臓)

日本では2017年、肝臓がんで約27,000人の方がなくなり、その他、肝疾患(肝硬変や肝不全)で約15,000人が死亡しています。肝臓がんや肝硬変の多くはC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスに感染されている人から起こります。肝臓がんの治療法は年々進歩していますが、それでも完治は難しく、予後の悪いがんの一つです。

そこで、肝臓がんや肝硬変の死亡数を減らすためには、肝臓がんや肝硬変の予防がポイントになります。C型肝炎ウイルスに感染されている方に、抗ウイルス治療を行い、ウイルスを追い出してしまうと、肝硬変への進展や肝臓がんの合併を減らすことができます。B型肝炎も同様に抗ウイルス剤を投与し、ウイルス量を減少さすと、肝臓がんの発生が減少します。

C型肝炎の治療は、最近までインターフェロン治療が中心で、副作用も強く、治療効果も期待したほどではありませんでした。しかし、2014年から、飲み薬だけで、ほとんど副作用なく、95%以上の方で、C型肝炎が治癒するようになりました。2014年当初の飲み薬は、24週間の内服で、多少副作用もあり、副作用で中止に至ることもありました。しかし、飲み薬も年々進歩し、最近の飲み薬はほぼ副作用なく、慢性肝炎では8週間、肝硬変でも12週間の内服で、ほぼ100%治癒するようになりました。

当科では、基本的に外来で内服治療を行っています。2014年以来、のべ236名に内服治療を行いました。最近の飲み薬はほとんど副作用もなく、ほとんどの方が治癒します。B型肝炎も同様に、飲み薬だけで副作用なくウイルスを抑えることが可能です。当科では以前から積極的に抗ウイルス治療を行っており、当科での肝がん発生数は2008年から減少に転じています。
当科では、このように肝硬変への進展や、肝がんの発生を予防する目的で、抗ウイルス治療を中心に肝疾患の診療を行っています。


消化器内科(膵臓・胆道)

膵臓疾患には、膵臓癌などの腫瘍性疾患や、急性膵炎・慢性膵炎などの非腫瘍性疾患があります。また胆道疾患にも、胆管癌・胆のう癌などの腫瘍性疾患と、総胆管結石や胆嚢結石胆管炎などの非腫瘍性疾患があります。

当院消化器内科においては、総胆管結石や胆管閉塞などに対する内視鏡治療を積極的に行うとともに、腫瘍性病変の診断治療にも力を入れています。膵臓癌や胆道癌は年々増加傾向にありますが、他の消化器癌と比べると治療成績が悪いため早期発見が大切です。

当科においては腹部CT検査やMRI検査に加え、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡検査(EUS)などの内視鏡検査を行い、癌の早期発見・早期診断に努めています。治療においては外科と緊密な連携を行うとともに、抗癌剤による化学療法や放射線治療も積極的に行っています。また最近では、膵臓癌に対する免疫療法などの臨床試験に参加し、新しい治療法の開発にも取り組んでいます。


消化器内科(炎症性腸疾患)

炎症性腸疾患とは潰瘍性大腸炎や、クローン病、腸管ベーチェットという下痢、下血や腹痛などを繰り返す原因不明の慢性の腸炎です。国が難治と定めた特定疾患で、原因は食生活の欧米化や様々な薬剤、行き過ぎた抗菌環境などのさまざまな環境因子や、ほんのわずかな遺伝的素因などが複雑に絡み合っておこる免疫系統の異常と言われており、徐々に解明されつつありますが、いまだにはっきりしたことはわかっておりません。

近年、日本では患者さんの数が年々増加しており、潰瘍性大腸炎は16万人を越え、クローン病は約4万人となったことが話題になっています。あまり馴染みの無い病気かもしれませんが、風邪のように完治するタイプの病気では無く、長期間病気と付き合っていくタイプの病気です。以前はステロイドや、絶食、手術といった治療方法しか無かったのですが、2000年ころから医療の発展が目覚ましく、特に近年様々な治療法が保険適応となり、治療の幅が広がっております。また、これから開発され薬となる見込みの薬剤も続々控えています。

当院では、5-ASA製剤、ステロイド製剤、免疫調整薬、血球成分除去療法、タクロリムス、抗TNFα製剤、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル製剤、JAK阻害剤、ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤など、様々な治療に対する体制を整えており、新薬の治験や、全国規模の共同研究に参加することも行っております。
また、看護師や薬剤師さん、栄養士さん等などの炎症性腸疾患に詳しいコメディカルの育成も頑張っており、最近では通院される炎症性腸疾患の患者さんも250人越えとなりました。
当院では『50年後に振り返っても最善の治療方針』を目指して治療を行っております。炎症性腸疾患は長い人生を通して病気と付き合って行かなくてはなりません。今だけ良ければ良い治療ではなく、先を見通した治療選択を行うように心がけております。もちろん、就学、就職、結婚、出産といった社会生活をきちんと行えることは病気と付き合っていく為には最も重要なことであり、医療面からのサポートをできるだけ行いたいと考えております。

炎症性腸疾患の治療を希望される方、セカンドオピニオン希望の方、炎症性腸疾患ではないかと不安な方など是非是非お気軽に受診ください。

スタッフ紹介

  • 消化器内科

    医師

    内科統括部長
    消化器内科部長

    岡本 志朗

    おかもと しろう

  • 消化器内科

    医師

    診療部長
    内視鏡室部長
    医療秘書科部長
    安全管理対策室室長

    児玉 寛治

    こだま かんじ

  • 消化器内科

    医師

    膵・胆道内科部長
    臨床心理科部長
    消化器内科医長

    野間 文次郎

    のま ぶんじろう

  • 消化器内科

    医師

    炎症性腸疾患内科部長
    消化器内科医長

    吉岡 京子

    よしおか きょうこ

  • 消化器内科

    医師

    消化器内科医長
    肝臓内科医長

    阿座上 隆広

    あざかみ たかひろ

  • 消化器内科

    医師

    消化器内科医員

    田村 陽介

    たむらようすけ

  • 消化器内科

    医師

    消化器内科医員

    隅岡 昭彦

    すみおかあきひこ

外来診療担当医表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前診療 児玉
(消化器)
岡本
(消化器)
田村
(消化器)
児玉
(消化器)
岡本
(消化器)
阿座上
(肝臓)
野間
(消化器)
阿座上
(肝臓)
野間
(消化器)
阿座上
(肝臓)
吉岡
(消化器)
隅岡
(消化器)
吉岡
(消化器)
隅岡
(消化器)
田村
(消化器)
専門外来
(午後)
岡本
(消化性潰瘍)
吉岡
(炎症性腸疾患)

第1金曜日 15:00~16:00 消化器がん緩和ケア外来