血液製剤の保管・管理と輸血に不可欠な血液型の検査や安全な輸血の為に輸血血液が患者さんに合っているかどうかを調べる交差適合試験などがあります。 また2010年から、輸血された患者さんのフォローとして、「輸血前後感染症検査および輸血による肝炎、エイズ被害の救済措置等の説明」も始めました。
安全性(人為的ミス防止)を確保した全自動輸血検査システム
輸血専任医、各種外科医、内科医、看護師、薬剤師、事務員とともに、輸血科臨床検査技師という構成委員で 2ヶ月に一回輸血療法委員会を開催し、輸血療法の適正化に努めています。
現在輸血療法は成分輸血が主流となっています。成分輸血というのは貧血の人には赤血球(酸素の運搬)成分のみの輸血を、肝機能障害でみられる凝固因子(血液を固める作用)の低下した人には新鮮凍結血漿の輸血を、血小板(止血作用)の低下した人には濃厚血小板の輸血を、といったように必要なものだけを輸血することです。これは不必要成分の輸血を避ける(輸血療法の適正化)という点で大切なことです。
またもう一方で、皆さまの善意の献血で成り立っている血液事業を国内の献血でまかなう点からみると、たとえば400ml一回の献血で赤血球液(RBC)と新鮮凍結血漿(FFP)の血液製剤を作る事ができます。一回の献血で2人の患者さんの役にたてるというわけです。
輸血事故防止のため、診療システム(電子カルテ)と輸血システムを連動させ、輸血検査を全自動化することにより、検体取り違えや血液型の入力ミスを解消、また輸血実施までの過程においても、患者認証システムを導入し、安全且つ適正な輸血療法を確立しています。
輸血科では、輸血関連検査を実施する場所とは別に血液製剤保管用の部屋を設け、血液センターへの発注や、在庫の管理をしています。
製剤ごとに専用の冷蔵庫,冷凍庫で保管をしています。製剤によって保管の温度が違い、赤血球製剤では2~6℃、血漿製剤ではマイナス20℃以下の温度管理のもと、24時間体制で保管しています。また血小板製剤は室温で振とう保管をしています。