下肢静脈瘤センター 形成外科部長
小林友哉
当院は、呉市で下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(カテーテル治療)を行っている唯一の施設です。
下肢静脈瘤とは下肢の静脈が瘤(コブ)状に膨らむだけでなく、だるさ、むくみ、こむら返りなどが生じる病気です。原因は皮膚の下にある静脈の静脈弁が壊れ、血液が逆流することです。瘤は結果として生じる症状の1つです。
静脈は体で使った血液を心臓に送り返す仕事をしています。静脈の
血液は足先から心臓に向かって一方通行で流れるのが正常です。このルールを守るべく、血液が後戻りしないようにしているのが静脈弁です。
この静脈弁が壊れると血液が逆方向にも流れてしまいます。血液が逆流すると血液が渋滞を起こし、静脈の圧力が高くなります。その結果、静脈が瘤状に変化し、だるさ、むくみなどの症状が出るのです。
結果として生じている瘤だけを治療しても問題は解決しません。原因となっている静脈弁の修理ができればよいのですが、残念ながらこのような手術はありません。治療は血液の逆流を止めるという考えで行います。
現在主流となっている手術が血管内焼灼術で、治療効果が高くかつ体への負担も少ないとされています。血管内焼灼術は原因となっている静脈に、先端から熱が出るカテーテル(管)を入れて静脈を内側から焼いてつぶします。
下肢静脈瘤は命に関わる病気でありませんが、治療によって見た目だけではなく、むくみ、だるさ、こむら 返りなどの症状が改善し、生活の質を向上させることが期待できます。
手術は、日帰りまたは1泊2日の入院どちらにも対応しています。
下肢静脈瘤にお困りの方は、是非、当院形成外科へご相談ください。
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