すべての患者さんに対して呼吸器外科の専門医が診断・治療を行っています。
最近では単孔式胸腔鏡手術を導入し、手術後の痛みを軽減できるよう努めています。
広報誌「きょうさいナウ!」(2021年7月号)
呼吸器内科、放射線科と定期的にカンファレンスを行い、治療方針を検討し、協力して診療にあたっています。また、多職種や種々のケアチームとの連携も密にとり診療の質の向上を図っています。
気胸は肺に穴があいて空気が漏れ、肺の表面と胸壁との隙間に漏れ出た空気が溜まってしまう状態のことです。溜まった空気によって肺が押しつぶされるために呼吸困難を感じたり、胸に痛みを覚えたりします。気胸には主に若年者の自然気胸と、慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎、肺腫瘍などに伴う続発性気胸があります。
他に肋骨骨折などによる外傷性気胸もあります。初期治療として胸腔ドレナージを施行し、難治症例や再発リスクが高い症例には積極的に手術を施行しています。低肺機能や合併症等の理由で手術が行えない場合は、胸膜癒着療法や気管支閉塞術を行うこともあります。
ドレナージのみ | 胸腔鏡手術 | |
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利点 | ・ 手術侵襲がない ・ 治療費が安い |
・ 再発率が低い(約5%程度) ・ 術後早期(3~4日)に退院が可能 |
欠点 | ・ 再発率が高い(約30~60%) ・ 治療終了日の予測が困難 |
・ 手術侵襲がある ・ 治療費がドレナージのみよりは高い |
高齢化社会を反映し、誤嚥による肺炎からの膿胸症例が増加傾向にあります。抗生剤の点滴で改善する場合もありますが、発症から時間がたっていたり、内科的治療だけでは治癒しないこともあり、タイミングをみて手術を行い良好な結果を得ています。
縦隔とは左右の肺の間に位置する部分のことを指しており、心臓、大血管、気管、食道、胸腺などの臓器があります。縦隔腫瘍とは、これらの縦隔内臓器に発生した腫瘍の総称です。様々な種類の腫瘍があり、良性のものから悪性のものまで幅広く発生します。したがって診断も難しく、画像検査に加え、体表から針を刺したり、小手術を行って腫瘍の一部を採ってきて顕微鏡で調べる「生検」が必要になってくることもあります。また診断と治療を兼ねて手術を行うこともあります。 縦隔腫瘍の手術は、腫瘍のできた場所及び大きさ、腫瘍の種類によりアプローチ法が異なります。胸骨正中切開、側胸部開胸(胸腔鏡を含む)、剣状突起下アプローチが主ですが、これらを組み合わせた手術を行うこともあります。近年は、低侵襲手術を進めていますが、腫瘍の条件により大きな切除になることもあり、個々の患者様により最適な治療法を検討する必要があります。手術だけでなく、化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行うこともあり、他科との連携を重視し早期に治療を開始してまいります。
外傷に伴う肋骨骨折、胸骨骨折、外傷性血気胸の診療も行っており、多くは保存的に改善しています。その他、びまん性肺疾患の肺生検や良性肺腫瘍、胸水、悪性胸膜中皮腫の診療も行っております。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
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肺・胸膜悪性腫瘍関連 気胸 膿胸 縦隔腫瘍 |
31 14 7 1 |
30 14 8 2 |
32 8 8 2 |
31 10 3 0 |
26 4 8 1 |
35 8 5 4 |
42 12 9 3 |
43 12 14 3 |
全身麻酔手術数 鏡視下手術数 |
55 54 |
58 54 |
56 53 |
48 48 |
42 41 |
57 57 |
72 72 |
84 82 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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午前診療 | 今井 | 杉本 | 松本 | ||
杉本/松本 |
火・木(手術日)