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呼吸器外科

呼吸器外科について

ご挨拶

呼吸器外科は、生命維持に最も重要な器官の一つである呼吸器(肺、気管、気管支、縦隔、胸壁、横隔膜)の疾患に対して、3人の呼吸器外科医で診療を行っています。近年癌の死亡率でトップになった肺癌や、肺に孔が開き、肺がつぶれてしまう気胸、肺炎などから胸に水がたまる胸膜炎や膿胸、胸部外傷(肋骨骨折、肺挫傷、気胸、血胸等)、縦隔腫瘍などの外科的治療を主に行っています。また、癌の痛みや苦痛をとる緩和治療にも力を入れて取り組んでいます。
治療方針の決定に際しては、診療ガイドラインの標準治療を原則としながらも、患者さんの体力や合併症を考慮し、カンファレンスで協議し検討しています。そして患者さんやご家族にわかりやすく病名、病状を説明し、十分に納得できる治療法を選択していただけるように心がけています。安全に手術を遂行し、術後は細やかな管理を多職種一丸となってチームでとりくみ、早期社会復帰につなげるよう努力してまいります。

呼吸器外科の概要と特色

すべての患者さんに対して呼吸器外科の専門医が診断・治療を行っています。
最近では単孔式胸腔鏡手術を導入し、手術後の痛みを軽減できるよう努めています。

広報誌「きょうさいナウ!」(2021年7月号)

呼吸器内科、放射線科と定期的にカンファレンスを行い、治療方針を検討し、協力して診療にあたっています。また、多職種や種々のケアチームとの連携も密にとり診療の質の向上を図っています。

原発性肺がん
我が国の臓器別がん死亡率の第1位で年々増加傾向にあり、当科の診療件数も最多です。
肺がんは検診や人間ドックなどで早期発見されることもありますが、進行した状態で発見されることも珍しくありません。腫瘍の状態と患者様の状態(合併症や年齢)を総合的に評価し、呼吸器内科、放射線科、呼吸器外科でカンファレンスを行い適切な治療法を選択してまいります。

肺がんでは標準的治療として胸腔鏡下肺葉切除および縦郭リンパ節郭清術を行っています。早期肺癌や合併症等で標準手術が困難な場合は胸腔鏡下肺部分切除や区域切除を行い、残存呼吸機能の保持に努めています。近年ご高齢の患者様や合併症のある患者様が増えていますので、術前全身評価を重視し、呼吸リハビリを充実させ手術に臨んでいます。

当科では以前からほとんどの症例で内視鏡手術を行っており、単孔式胸腔鏡手術にも積極的に取り組んでいますが、どの患者さんにおいても安全性は最も重要な項目です。そのために創を延長することもありますが、安全な手術を実行し、ここ十年以上致死的合併症はなく、みなさん元気に自宅退院されています。

気胸

気胸は肺に穴があいて空気が漏れ、肺の表面と胸壁との隙間に漏れ出た空気が溜まってしまう状態のことです。溜まった空気によって肺が押しつぶされるために呼吸困難を感じたり、胸に痛みを覚えたりします。気胸には主に若年者の自然気胸と、慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎、肺腫瘍などに伴う続発性気胸があります。

他に肋骨骨折などによる外傷性気胸もあります。初期治療として胸腔ドレナージを施行し、難治症例や再発リスクが高い症例には積極的に手術を施行しています。低肺機能や合併症等の理由で手術が行えない場合は、胸膜癒着療法や気管支閉塞術を行うこともあります。

治療法の比較
ドレナージのみ 胸腔鏡手術
利点 ・ 手術侵襲がない
・ 治療費が安い
・ 再発率が低い(約5%程度)
・ 術後早期(3~4日)に退院が可能
欠点 ・ 再発率が高い(約30~60%)
・ 治療終了日の予測が困難
・ 手術侵襲がある
・ 治療費がドレナージのみよりは高い
膿胸

高齢化社会を反映し、誤嚥による肺炎からの膿胸症例が増加傾向にあります。抗生剤の点滴で改善する場合もありますが、発症から時間がたっていたり、内科的治療だけでは治癒しないこともあり、タイミングをみて手術を行い良好な結果を得ています。

縦隔腫瘍

縦隔とは左右の肺の間に位置する部分のことを指しており、心臓、大血管、気管、食道、胸腺などの臓器があります。縦隔腫瘍とは、これらの縦隔内臓器に発生した腫瘍の総称です。様々な種類の腫瘍があり、良性のものから悪性のものまで幅広く発生します。したがって診断も難しく、画像検査に加え、体表から針を刺したり、小手術を行って腫瘍の一部を採ってきて顕微鏡で調べる「生検」が必要になってくることもあります。また診断と治療を兼ねて手術を行うこともあります。 縦隔腫瘍の手術は、腫瘍のできた場所及び大きさ、腫瘍の種類によりアプローチ法が異なります。胸骨正中切開、側胸部開胸(胸腔鏡を含む)、剣状突起下アプローチが主ですが、これらを組み合わせた手術を行うこともあります。近年は、低侵襲手術を進めていますが、腫瘍の条件により大きな切除になることもあり、個々の患者様により最適な治療法を検討する必要があります。手術だけでなく、化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行うこともあり、他科との連携を重視し早期に治療を開始してまいります。

胸部外傷

外傷に伴う肋骨骨折、胸骨骨折、外傷性血気胸の診療も行っており、多くは保存的に改善しています。その他、びまん性肺疾患の肺生検や良性肺腫瘍、胸水、悪性胸膜中皮腫の診療も行っております。

実績

当科の年間手術症例数
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
肺・胸膜悪性腫瘍関連
気胸
膿胸
縦隔腫瘍
31
14
7
1
30
14
8
2
32
8
8
2
31
10
3
0
26
4
8
1
35
8
5
4
42
12
9
3
43
12
14
3
全身麻酔手術数
鏡視下手術数
55
54
58
54
56
53
48
48
42
41
57
57
72
72
84
82

スタッフ紹介

  • 呼吸器外科

    医師

    相談役
    地域医療連携室長
    患者支援センター長
    入退院支援センター室長

    今井 茂郎

    いまい しげお

  • 呼吸器外科

    医師

    院長補佐
    胸部外科部長
    地域医療連携室副室長

    杉本 龍士郎

    すぎもと りゅうじろう

  • 呼吸器外科

    医師

    呼吸器外科部長

    松本 理恵

    まつもと りえ

外来診療担当医表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前診療 今井 杉本 松本
杉本/松本

火・木(手術日)