ペースメーカ(PM)、植込み型除細動器(ICD)、両室ペースメーカ(CRT-P)、両室ペーシング付き植込み型除細動器(CRT-D)のデバイスをまとめてCIEDs(植込み型心臓電気デバイス)と呼んでいます。ペースメーカは徐脈の治療、植込み型除細動器は命に関わる重篤な不整脈が起きた時の治療、両室ペースメーカは左右の心室の動きを同期することで心不全の改善など、植え込むデバイスによって治療の目的が異なります。CIEDsはプログラマーと呼ばれるコンピュータと通信することで設定や動作状況の確認、設定の変更などが行えます。臨床工学技士はこのプログラマーを操作することで患者さんのCIEDsの作動状況を解析し、CIEDsが適切に作動しているかを確認し、医師へ報告しています。現在は5名の臨床工学技士が対応でき、1名の臨床工学技士を教育指導中です。
CIEDsは血管造影室で植込みを行っています。臨床工学技士は心電図や血液の酸素飽和度、血圧などの監視を行いながら、手術が進んでいきます。心臓の中に電気を検出したり刺激したりする電線が入ると、心臓の中の電気の検出や刺激を行うことができるPSA装置と呼ばれる機器を使用して、電線の場所が良いか悪いかを判断していきます。また、プログラマーを操作して医師に指示されたCIDEsの設定への変更や、ペースメーカ手帳への必要事項の記載を行います。
CIEDs植え込み後、問題がなければ約1週間で最初のチェックを行います。病室まで臨床工学技士が訪問し、チェックを行います。植え込み時と比較することで、変化の有無を確認し、医師の指示によって設定を変更します。チェックを行った後は、医療機器登録制度や遠隔モニタリング装置などの説明をしています。