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血液浄化業務

血液浄化業務について

血液透析療法、血漿交換療法、血液吸着法など様々な血液浄化療法を行っており、臨床工学技士は患者さんと関わりながら医師・看護師と連携し、血液透析装置の操作、保守管理、水質管理、透析機器のトラブル対応などを行っています。

血液透析

  • 腎臓は、老廃物や毒素の排泄、体内の水分量や電解質の調節、ホルモン分泌の調整を行うなど、身体にとってとても重要な働きをしています。病気によって腎臓の機能が著しく低下すると、その働きを補うため、腎代替療法の1つである血液透析を行います。血液透析とは、専用の針とチューブを使って血液を体外に取りだし、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓を用いて老廃物や毒素の排泄、体内の水分量や電解質の調整を行い、調整した血液を身体に返す腎機能の代わりをする治療のことです。1回の治療時間は4~5時間で、血液透析をされる患者さんは、週3~2回隔日で治療を行います。当院では、月~土曜日まで午前・午後の2クールを行っています。血液浄化センターに透析用監視装置は32台あり、臨床工学技士は3~4名/日で業務をしています。臨床工学技士は、看護師と協力しながら患者さんとコミュニケーションを取り、患者さんの体調やシャントの状態を把握していきます。穿刺を行った後は回路と接続して透析治療を開始します。治療中は治療条件の確認、装置異常の対応、バイタルのチェックなどを行い、患者さんに急変があればすぐに駆け付け、機器の操作を迅速に行います。透析終了時には返血と抜針を行い、開始から終了まで患者さんの治療が安全に行えるよう努めています。血液浄化センターへ来ることができない重症の患者さんは病室で透析治療を行っていますが、透析開始から終了まで臨床工学技士が常駐することで患者さんの異変や透析機器のトラブルにも迅速に対応でき、病室でも安全・安心な透析治療を実施できる体制を整えています。医師から依頼があれば超音波診断装置によるバスキュラーアクセスの血流評価を行うことや、看護師と協力して1ヶ月に1回シャントのスコアリング評価を行うことで、シャント閉塞等の早期発見に努めています。また夜間・休日の緊急対応のため、臨床工学技士1名と看護師1名の当番制とし、24時間いつでも安全に血液透析が出来るよう努めています。
血液透析

特殊血液浄化療法

体外循環によって血液から血漿成分を分離し、病気の原因物質の含まれる血漿成分を破棄し、廃棄した血漿成分の代わりに新鮮凍結血漿(FFP)を血液に戻す単純血漿交換 [PE:plasma exchange]治療や、体外循環により専用のフィルターに通すことで血液中の病気の原因となるものを吸着させ取り除く血液吸着 [HA:hemoadsorption]治療などがあります。患者さんの病気に合った治療方法によって使用する医療機器、医療材料が異なるため、回路の組み立てやプライミングを確実に行っています。また、治療条件の設定や機器の操作を行い、安全に治療ができるように管理をしています。
以下の特殊血液浄化療法を行っています。
  • ・単純血漿交換法 [PE:plasma exchange
  • ・二重膜濾過血漿交換法 [DFPP:double filtration plasmapheresis]
  • ・血液吸着 [HA:hemoadsorption]
  • ・血漿吸着療法[PA:plasma adsorption]
  • ・血球成分除去療法[GCAP:granulocytapheresis]
  • ・腹水濾過濃縮再静注法[CART:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy]

水質管理

血液透析は透析液を使用し、ダイアライザー内部の膜を介して血液と接触します。透析液が清浄化されていない場合は血液が汚染され、エンドトキシンによるショックや細菌による感染などを起こし生命に関わるため、当院では日本透析医学会が定める透析液清浄化ガイドラインに基づいた管理を行っています。毎月の生菌とエンドトキシンの生物学的汚染の検査や、透析日毎に実施する逆浸透水処理装置の残留塩素(遊離塩素と総塩素)の測定、定期的なETRF(エンドトキシン捕捉フィルター)の交換を行うことで、日本透析医学会が定めた超純水透析液の基準をクリアした透析液を供給しています。そのため、置換液として透析液を透析回路内の血液中に大量に入れ、入れた量と同じだけ除水するOn-line HDF(慢性維持血液透析濾過)の治療が実施できます。On-line HDFは不要な物質の除去効率増加、血圧低下の防止などが報告されています。On-line HDFは2023年10月末時点で28台の機器が対応可能です。
水質管理

保守管理

透析液の作製に必要となる透析用水を作製する逆浸透水処理装置や、透析原液を作製するA・B粉末製剤溶解装置、透析液を作製し透析監視装置へ供給する多人数用透析液供給装置、透析治療を安全に行えるよう監視する透析監視装置の日常点検(使用前、使用中、終了時)を実施することで装置のトラブル防止に努めています。トラブル時には部品交換などを行いますが、治療前や治療中であれば患者さんの治療の妨げや影響が出ないように対応しています。また、それぞれの装置は臨床工学技士による定期点検を6ヶ月に1回の周期で行い、メーカーによるオーバーホールも定期的に行っています。透析治療を安全に円滑に確実に行えるよう日々、保守・点検・管理を行っています。

保守管理

遠隔モニタリング

自動腹膜用灌流装置(APD)を使用して腹膜透析を行っている患者さんの治療結果を遠隔で確認しています。ご自宅にいながら治療結果はすべて暗号化して、セキュリティが確保されたサーバーに転送・保存されるため、病院に来ることなく医師や看護師、臨床工学技士がチェックすることができます。臨床工学技士は毎日の治療結果を確認し、担当医や看護師と情報共有しています。

災害対策

当院では、血液透析を3日間行える医療材料の備蓄や、治療中に災害が起こった場合の機器操作方法や緊急離脱手順、避難経路の確認などの勉強会を年1回行うことで、災害に備えています。また災害が発生した際の災害時事業継続計画(BCP)を作成し、事業継続が行えるように準備しています。