2026年3月から、高気圧酸素治療が始まりました。高気圧酸素治療(Hyperbaric Oxygen Therrapy:以下HBOT)は、大気圧環境下よりも高い気圧環境を作りだす装置(以下高気圧治療装置)を用いて、患者さんに100%の酸素を吸入してもらう特殊な治療法です。高気圧環境では、血液中に溶けている酸素の量を増加させることができます。また、加圧によって体内(組織や血管内)のガス体積が小さくなるといった物理的な作用の相乗効果を得ることができます。HBOは、全身および局所性の低酸素症による疾患及び生体内の気体に関する病態に治療効果があり、各科で臨床利用されています。当院では第1種装置(1人用チャンバー)を用い、主に2絶対気圧(水深10mと同じ気圧)で100%酸素を用いて治療を行っていきます。治療時間は全体で約90分ですが、内訳は加圧約15分、保圧60分、減圧約15分となっています。
HBOTの安全対策は、「事故を絶対に起こさないこと」です。100%酸素下では、一度発火すると通常では燃えないような金属まで燃やしてしまいます。治療中万が一火災事故が起こると、100%救命し得ることができません。そのため、基本的に持ち込み禁止で治療を行います。衣類は治療専用の衣類へ着替えてもらいます。また、病室・治療室ではボディチェックを実施し、持ち込み品や装着物が無いか確実にチェックを行います。
治療開始前に、高気圧酸素治療安全協会が定めた項目を毎回行います。安全かつ円滑に検査や治療が実施できます。また、終業点検も実施し、翌日の準備に備えます。
チェックリストを用いて、臨床工学技士と看護師でダブルチェックを行います。確実な安全を確保するため、病室で1回、治療室で1回ボディチェックを行います。



