MENU

  • LINE
  • facebook
  • youtube
キービジュアル

呼吸器リハビリテーション

呼吸器リハビリテーションについて

『呼吸リハビリテーションとは、呼吸器に関連した病気を持つ患者が、可能な限り疾患の進行を予防あるいは健康状態を回復・維持するため、医療者と協働的なパートナーシップのもとに疾患を自身で管理して自立できるよう生涯にわたり継続して支援していくための個別化された包括的介入である。』と定義されています(日本呼吸ケア・リハビリテーション学会、日本呼吸理学療法学会、日本呼吸器学会)。

呼吸リハビリの対象は肺炎、COPD、間質性肺炎、気管支喘息、気管支拡張症、肺がん、胸部や腹部の手術前後、人工呼吸器装着中など、呼吸器に関連した病気を持つ患者様となります。
呼吸リハビリの効果としては、対象疾患により異なりますが、一般的に筋力や持久力といった身体機能の向上、呼吸困難感の軽減、日常生活動作能力の改善、健康関連QOL(生活の質)の改善、不安や抑うつの軽減などが知られています。

リハビリの介入に際しては、入院原因となった疾患に対する治療状況、身体機能、日常生活動作能力等の評価に基づき、患者様に適したリハビリプログラムを計画・実施していきます。リハビリプログラムとしては、筋力トレーニングや全身持久力トレーニングといった運動療法、実際の生活に必要となる日常生活動作の練習などを、コンディショニングを併用しながら実施していきます。
筋力トレーニング 動作や歩行の安定性向上と、それに伴う呼吸困難感の軽減を目的に、上下肢や体幹の筋力強化を図ります。自らの体重や重りを利用した運動を実施します。
全身持久力トレーニング 全身持久力の向上を目的に、歩行や自転車エルゴメータでの継続的な運動を実施します。
日常生活動作練習 日常生活自立度の向上や息切れの少ない効率的な動作の獲得を目的に、個々の生活様式に応じて、退院後に必要となる日常動作(更衣、トイレ、入浴、家事動作など)の練習を実施します。
コンディショニング 呼吸困難感の軽減、上記の運動療法や日常生活動作練習の効果を高める(コンディションを整える)ことを目的に、呼吸練習、呼吸介助手技などの排痰援助、ストレッチやマッサージを実施します。
手術前の呼吸リハビリについて

肺や消化器の手術の後は、無気肺や肺炎などの呼吸器合併症を発症するリスクがあります。それらのリスクの軽減に、術前呼吸リハビリを行うことが有効であると言われています。
そこで当院では、肺がんの手術前と呼吸機能に低下を認められた消化器外科の手術前の患者さんに対して、術前呼吸リハビリを実施させて頂いております。呼吸機能の向上を目的に腹式呼吸練習や呼吸訓練器具を用いた呼吸練習を実施するとともに、術後に重要となる排痰方法の練習などを実施しています。

カンファレンスの実施について

当院の呼吸器病棟では毎週木曜日に医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士などのスタッフで合同カンファレンスを実施し、患者さんの全身状態や治療内容、生活の様子、リハビリの内容、退院に向けた各種調整などについて多職種で検討しております。