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健康コラム

おなかの手術の前後こそ、体力作りが重要です

2022.09.01 腹部

外科 瀬尾 信吾

お腹の手術を行うからといって、お腹のことだけを気にしておけばいいのかというと、そんなことはありません。腹部手術の前後では、運動量や全身筋肉量の低下などを招くことが知られています。これを放置しておくことは、術後の重大な合併症や、寝たきりなどの活動性・認知力低下につながることが、近年の研究から次々と明らかにされてきました。

術前後の活動性や筋力低下を防ぐため、当院でも様々な専門チームが多角的に介入を行っています。例えば、術前後の栄養管理はとても重要です。術前の栄養状態や筋肉量について詳細に評価し、術後もできる限り栄養失調とならぬよう患者さん毎に検討を行っています。
お口のケアもとても大切です。適切な口内環境の構築は、術後の肺炎予防や食事摂取のために不可欠です。他にも痛みの管理など多くの専門チームが連携して一人の患者さんのために協力して診療にあたります。

筋力低下予防のために、リハビリテーションは極めて重要です。とくにがんなどの大手術では、術後に筋力低下を起こしやすい傾向にあるため、専門のスタッフが休日も含め全面的にサポートできる体制を構築しています。また近年は、手術のリハビリは術後に開始するものではなく、手術の前から開始しておくものという概念も浸透してきました。術前から、筋力低下予防のためのストレッチや体操の実践、また万歩計®やスマートフォンを用いた歩数測定なども行われています。歩数測定は簡便な方法ではありますが、術前から一日5000歩以上歩くようにした場合、術後の合併症が如実に減ったとの研究報告もあり注目を集めています。

おなかの手術の術後合併症を減らし、速やかに回復するためには、術前からの計画的な体力づくりが重要です。当院では皆様に安心して手術を受けていただけるようサポートできる体制が既にあります。いつでもお気軽にご相談ください。

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