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健康コラム

女性泌尿器科~あなたのその悩み、実は治療法がたくさんあります~

2023.09.01 腹部

泌尿器科 安東栄一

さて「女性泌尿器科」をご存じでしょうか。
女性特有の骨盤臓器におこる泌尿器疾患を診て治す部門です。いわゆるおしものトラブルです。具体的には、「尿失禁」、あるいは子宮、膀胱あるいは腸が膣口から脱出、またの部分に激しい違和感や、排尿障害を引き起こす「骨盤臓器脱」(図1)が代表的な疾患です。出産、閉経、加齢により、臓器の支えが弱ってくることが原因です。
失禁治療は、①骨盤底筋体操(いわゆるリハビリテーション)、②内服治療、③手術療法などがあります。状態をみながら段階的に治療をすすめてゆきます。手術療法は、尿道を支えるテープを膣の壁に2cm小さな傷から尿道を支えるように挿入します。5日前後の入院で治療可能です。(図2)
骨盤臓器脱の治療方法を説明します。ごく初期のものは体操などで対応可能です。膣内にペッサリーと呼ばれるリングを挿入し、臓器の脱出を抑えることもあります。脱出の程度によっては、手術療法が必要となります。手術は、シート状の医療用メッシュ(みかんのネットのようなイメージ)を、おなか側から膣壁を覆うようにたて、弱まった支えを補強し、臓器が落ち込まないようにします。
つまり、フェンスをたてる感じです。(図3)
手術は1cm前後の穴をおなかに4か所あけ、そこからカメラや道具を入れてメッシュを挿入する内視鏡手術(LSCと呼ばれます)です。翌日から食事・歩行可能で、1週間程度の入院で行います。

これらの病気はむかしからあるものですが、患者さん、医療者側とも病気としての認知が低かったため、正しく治療がされてこなかった経緯があります。恥ずかしさもあり、医療機関を受診できないでいる方も多いと思われます。しかし、あなたのその悩み解決するかもしれません。泌尿器科で一度相談して、快適な生活を取り戻しませんか?

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